白色ポピー
□嫌い
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皆でケーキを食べた。
何でも骸がつくってくれたらしい。
見た目からして美味しそうなチョコケーキだった。
『骸すごいね、美味しい』
「ありがとうございます。作ったのは初めてだったので自信はなかったんですが、そう言ってもらえると嬉しいですよ」
骸はそう言うと目を細めて笑った。
骸は器用だから、大抵のことはできてしまうんだな。
「今日はどうだった?」
武がにこやかに訊いてきたので少し考えてから答えた。
『なんかね、すごかった。あんなに人がいっぱいいるのってはじめてだったから。それにね、楽しかったよ。ね、クローム?』
「うん、楽しかった」
『10段アイスのお店もね、あったの!』
「そういえば前行きたいって言ってたよね」
「10段食べたわけ」
『さすがに無理だよ恭弥…でも2段食べたよ。骸スペシャルを』
「…僕ですか?」
皆不思議そうな顔をしている。
『うん!チョコとね、パイナップル!』
私がそう言うとぶっと噴きだす皆。
パイナップル!とお腹を抱えて笑っている…なんかへんなこと言ったっけ?
骸はクフフと笑っているけど心なしか顔がひきつってる。
「紗那…服も買ったよね」
『うん!』
「今度着たらみせてくれな!」
一通り今日の土産話をするとクロームがふいに切り出した。
「…カフェでね、紗那がナンパされたの」
それまで穏やかだった皆の目が、瞬時に殺気をはらんだ。