皆には私が疲れているように見えるらしい。
自覚はないけれど、結局みんなに今日は休めと言われて自室に放り込まれてしまって、今に至る。
やることもなくて時間をもてあましていると、控えめにノック音がした。
扉を開けるとそこにいたのはクロームだった。
『今日きてたんだね』
「うん。紗那、今から出掛けない?ボスにも言ってあるから…」
『お出かけ?行きたい!』
お出かけなんてあまりしたことないから、楽しみだ。
『どこにいくの?』
「新しくショッピングモールができたから、そこに行こう?ボスが紗那に服買ったりしてきてって言ってたから」
そういえばここ一年で私は背が延びたからあまり服をもっていない。
ツナもそのことを知ってるからだろう。
「行こう」
手を差し出してきたクロームの手を握り返し、私たちは屋敷から出た。