痛い
痛い
ドロリと血がながれ、視界がかすんでいく。
ボンゴレに行かなくちゃ―――
ふらふらしながらも歩を進める。
雪が頬をかすめていく。
一面真っ白な世界でひたすらに歩き続けた。
行かなくちゃ、行かなくちゃ。
頭の中で繰り返す。
どのくらいたったのか。
目的地が見えたとき、石につまづき倒れこんだ。
雪がつめたい。
白かった視界が赤く染まっていく。
立とうとあしに力をいれてみても全く立ち上がることができない。
あと少しだったのに――
意識をなくす寸前、きしと雪を踏みしめる音が聞こえた気がした。
白色ポピー
加筆修正2012/02/24