白色ポピー
□覚悟
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そのまま座り込み泣き崩れていた私にふと影がさした。
「その様子だと、俺の言う通りだったんだな」
デュークがそう言ったのに頷く。
『私のこと知らないって言ってたの。なんの情報もないって。でもそれは嘘だった。お母様のことも研究所のことも知ってた。……あの日の襲撃のことだって』
「裏切られて悲しい?紗那」
『そんな名前で呼ばないで!お母様を殺したひとが付けた名前なんて…、そんな名前なんか、いらない』
お母様が私のことをなんて呼んでいたのか、まだ思い出せない。
デュークに聞けば手っ取り早いのかも知れないけど、自分で思い出したい。
『……もう、頼れるひとは誰もいなくなっちゃったんだね…』
「…俺がいるよ。唯一の姉弟だ。生まれ方も育った境遇も違うけど、これからは俺を頼っていいよ」
デュークは優しくそう言った。
『ありがとう…。これから、どうするの?』
デュークは何かを考えるように目を伏せ、すぐに私を見詰めた。
「お前はフェルナンド様がよく言ってたことを覚えてる?」
『何?』
「いつか俺達で―――ボンゴレを潰せ、って」
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