ピピピピ、ピピピピ繰り返される電子音に起こされた私は枕元に置いてあったケータイを手に取り、眠い目をこすりながらアラームを止めた。その時につい普通に使ってしまった包帯を巻いた右手に小さな痛みが走って、自然と顔をしかめてしまう。あの時は咄嗟にカッターを掴んだからつい利き腕にしてしまったけど、少し不便になるかもしれない。ふうと小さく息を吐いてから登校する準備をはじめた。