私の前をいくまどかを追って階段を上っていく。
屋上によびだしとか、なんてありふれた展開だ。
一体どんな茶番を用意しているのかはわからないけど、それでもついていく。
ドアを開けると途端に冷たい風が吹いてきて、思わず身震いした。
そんな私に構わずまどかは屋上のフェンスに近づいていき、立ち止まった。
『大事な話って?』
「私…葵ちゃんが…」
彼女は振り向くと鋭い目付きで言った。
「邪魔なの」
『そう』
「びっくりしないんだ。私、あんたの名前も顔も態度も…存在事態がムカつくの。邪魔でしょうがないの」
『そう。それで?』
彼女は笑って言った。
「消えてよ」