CHANCE
□day by day
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時間っていうものは本当に凄いと思う。
「ほら、来たよ」
「よく学校来れるよな」
はじめの頃は、それでも遠慮がちだったのに今では抵抗感なんてないらしい彼ら。
わざと私に聞こえるように陰口を叩く。
時間が経つにつれて、彼らはこの状況になれていった。
これが当たり前になったのだ。
それどころか、
「おい河上、これやるよっ!」
そう言ってクラスメイトの一人が私に何か投げつけた。
咄嗟に避けると私の後ろの壁にぶつかったそれはぐしゃっと音をたて割れる。
「お前なんで卵なんかもってんだよ」
「いや、よく卵とかなげんじゃん?実際どんなんか試してみたくてさ」
日に日にエスカレートしていく行為。
けれど彼らがなれていくのと同時に、私もなれていく。
今では、ほとんど何も感じなくなった。
彼らを見ても、悲しくならないし苦しくもならない。
馬鹿らしく感じることもない。
怒りを感じることさえ、なくなった。
前、好きの反対は嫌いではなくて無関心だって誰かが言ってたような気がするけど、まさにその通りだと思う。
彼らは私にとって、どうでもいいものになってしまった。
日に日に私の中の何かが変わっていって、私が私でなくなるような、そんな奇妙な感覚が気持ち悪い。