* * *
「葵大丈夫だった?」
教室に帰るなり京子が詰め寄ってきた。
「…なんか葵顔赤くない?」
隣の席だったからツナも話に入ってくる。
「本当だ。なんかちょっと赤い…ような…あっもしかして」
ツナがほんのりと頬を染めた。
何を想像してんだ。
『勘違いしないでよ…』
「じゃあなんで?」
京子も食い下がってくる。
『ホントになんでもないよ!話しただけなんだけど…ね』
「納得いかない」
『うーんと…天然?こわいわーみたいな?』
「なぜ疑問系!?」
私が照れてるのは、雲雀さんが真顔でさらりとそばにいてよとか言うからだよ。
もしかしてタラシなのか、雲雀さんって。
そういえば昔からたまに恥ずかしいこと言ってたなぁ。
『本当、なんでもないから』
誤魔化してから私は授業の準備にとりかかった。