CHANCE

□似てないけど、
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掴まれたままの腕に全神経が集中する。

『雲雀さん、腕…』

雲雀さんは私の言いたいことを察してすぐに腕を離してくれた。

チャイムの鳴るおとが耳に入る。

「僕が来る前、沢田綱吉たちと何話してたの」

雲雀さんは校庭に視線をやりながらたずねる。

『えっと…忠告?と、もう一人の葵のこと』
「…そう」

雲雀さんは別段驚いたふうでもなかったから、答えを予想していたんだろうか。
それ以上何を聞くでもなく、フェンスに寄りかかっている。
私は特にすることもなかったから、雲雀から2メートルくらい離れた所でフェンスに寄りかかって座った。

『雲雀さんは、私をもう一人の葵に重ねていませんか?』

雲雀さんの視線がこちらに向くのを感じたけれど、私は前を見つめたまま続けた。

『私と彼女って…似てますか』






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