CHANCE

□登場、登場、登場
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京子が落ち着くまでそのまま抱き締めていようと思ったら、後方から複数の足音が近づいてくる。

「そういうことか」

そこにいたのは、ツナくん獄寺くん山本くんのいつもの三人。

『聞いてたの?』
「わりぃな、俺たちが飯くってたらお前らが入ってきたんだけど、俺らにきづかないまま話がはじまっちまってな…」

山本くんはばつが悪そうだ。

「ご、ごめんね葵ちゃん、京子ちゃん…」
「ツナくんたちなら、大丈夫…」
「おい、俺は葵は自殺なんてするわけねぇってずっと思ってたんだ。…あいつが自殺するに至ったことって一体なんなんだよ」
「ごめんね、全部きこえちゃってたんだ。…なんで京子ちゃんはそんなに思い詰めてるの?」
「話した方が溜め込むより楽になれるぜ?」
「……言えないの」
「十代目がお訊きになってるんだぞ、てめぇ」
「ちょっと獄寺くん!」
「なんて言われても、私からは言えない」
『獄寺くん、京子ちゃんがここまで頑なに言わないんだから相当なことだって察して詮索しないであげて?』

正直、私だってあのことをこの人たちに知られたくない。
獄寺くんは舌打ちをして顔を背けた。
諦めてくれたみたいだった。






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