CHANCE

□coffee
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あぁヤバい緊張する。
手に汗かいてきた頭ぐるぐるする。
どうしようとりあえず落ち着け自分。
深呼吸だすーはーすーはー。
何てことは繰り返すこと何回目だろうか。
いい加減覚悟を決めないと通行人に変な目で見られてしまう。

私は今、応接室の前にいる。
なぜなら、昨日雲雀さんに熱が出たところを助けてもらって御礼がしたかったから。
でも、なかなか決心がつかなかった。
その理由は、雲雀さんに恋をしてしまったから。
本当に不意討ちだった。
まさか雲雀さんがあんなふうに優しく笑うなんて思ってなかったから。

一人悶々と考え込んでいると、すっと目の前のドアが開いた。

「ねぇ、いい加減入ってきたらどうなの」
『ひ、雲雀さん!』

目の前で私を見下ろしている雲雀さん。

「何で扉の前で突っ立ってるの。今さら僕が怖くなった?」
『ち、違いますっ!応接室なんて慣れてなくて緊張して。それに昨日あんな醜態晒しちゃったから…恥ずかしくって…』

尻すぼみになりながらもそう言う。
一番の理由は好きな雲雀さんに会うのが緊張するから、だけれどそんなことは言えない。
せめて変な誤解はされたくなかった。
別に嘘は言ってないし。
ちらりと雲雀さんに視線を向けると、そんなこと気にしなくていいのに、と言って私の手を引き応接室に入っていく。
てゆーか雲雀さん、手が…!
手が触れてる!






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