reborn4

□人妻を好きになるなんて
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「恭弥さん!恭弥さん!」


最近困ったことがある。
咬み殺そうにも咬み殺せない、女が僕にまとわりついてくるんだ。


「恭弥さん!恭弥さん!」

数日前からのんきな笑顔で僕の名前を嬉しそうに呼び、ついてくる。

「ねえ。」

「はひ!やっと振り返ってくれました!」

「…もう学校なんだけど」

「?…それが何か?」

「不法侵入って言葉知っている?」

「いいじゃないですか、ハルは昔からやってましたよ!」

なんてニコニコって効果音がよく似合う女はお構いなしに応接室にまで入ってきた。
ソファに座り何やら感想を言っている。懐かしい、だとかなんとか。


「ねえ。」

「はひ?」

「君、誰なの?」

「だからずっと言ってるじゃないですか!ハルですよ!」

「ハル?」

「三浦ハルです!」

三浦ハル…どっかで聞いたことのあるような。

「ほらポニーテールの!」

ああっ。そうだ。草食動物達と一緒にいるのを数回見たな。やかましい女の子。(そういえば最近草食動物たち見かけないな)

「君、ポニーテールじゃないじゃないか」

目の前にいる彼女はショートカットで、ポニーテールなんて出来そうにないだろう。

「それは切っちゃったからです!恭弥さんも見たじゃないですか!」

「…というか名前で呼ばないでくれる?」

「はひ!恭弥さんが言ったんですよ『名前で』って!」

「…いつ?」

いつって、と言いかけるとあ、はあ!はあ!そうでした、と一人で喋くっていた。(一体なんなの、)

「そうでした。ここは10年前の世界でしたね!」

「…10年前?」

「そうです!あ、恭弥さんももうすぐ10年後に行っちゃうんですよね…無茶しないでください。」

急に彼女はしおらしくなった。
10年前?10年後?よくわからない、彼女はバカなのか。

「それにしても懐かしいです。学ランの、恭弥さん!」

また元気になって僕の頭を撫でた。

「ちょっとやめてくれる?名前で呼ぶのも」

「ふふ〜、照れているんですか?」

「、違う」

「いいじゃないですか!ハルは恭弥さんの妻なんですから!」



「妻?君が僕の?」

「はいっ!」



「嘘。」

「本当です!」

「君、結婚指輪しているじゃない」

「だからこれは恭弥さんがくれた、!」

「僕はあげてないよ」

「十年後の恭弥さんです!」

そういえば彼女のいうポニーテールだった彼女もやかましく何やらバカみたいに言っていたな。今もきっと頭がおかしいんだろう。

「とりあえず、名前で呼ばないで」

「”雲雀さん”ですか?なんだか懐かしいです〜」

「まぁそれでいい」

「じゃあ”ハル”って呼んで下さい」

「なんで僕が、」

「・・・・」

黙ったと思ったら泣きそうな顔をした。

「恭弥さんあっち行っても無理しないでくださいね。恭弥さんが死なれたら…ハルは、」

やっぱり君の言っていることは全くわからないけど、君に抱き締められて、暖かい、と思った。



「………ハル」

「きょ、や、さ、」










人妻を好きになるなんて


















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