reborn4
□笑顔とシュークリーム
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「柿ピー、買い物行くびょん」
「めんどい、」
いつだってそう思ってた。
こんな世界くだらない。
僕は生きている意味はあるのか?
骸様のために、と生きていたが
僕は本当に役立っているのか?
むしろ足手まとい、なんじゃないのか。
そう、なにもかも嫌で何もやりたくなくてだけど人といるのも嫌で、出て行った。犬が不思議そうにどこいくびょん、だとか言ってた気がしたけど聞こえなかったことにしたかった。
、僕は生きている意味なんてあるんだろうか?
「はひ!」
何かに当たったのを機に我を思い出した。僕は隣町にまで来ているようだった。そして女の子が地面で倒れていた。
「、ごめん」
「はひー、こちらこそすみません。」
その女の子は腕になにか袋をがっちりと抱えていた。立ち上がって、大丈夫です、とニコリと笑った。けど、膝から血が出ていた。
「膝・・・」
「はひ?」
「血出てる・・・」
「はひ!本当です!」
僕はポッケに入ってた絆創膏を渡すと照れながら笑った。そして膝に絆創膏をつけていた。
なんかさっきから一挙一動、忙しそう。
「あ、よろしかったらこれ食べません?」
彼女は袋からシュークリームを渡した。お礼、らしい。どうも、と言うと目をキラキラさせながら見てきた。どうやら今食べて欲しいらしい。生でシュークリームをもらったらそうしかないけど、僕は一口食べてみた。
「ど、どうですか?」
「・・・美味しい」
「ほ、本当ですか?!」
よかったと、彼女は胸を撫で下ろした。なんでそんなこと聞くのかと思えば彼女は話し出した。
「実はこれからツナさんにあげようと思っているんです。」
ツナさん?誰だかわかんないけど、きっと想い人かなんかだろう。
「ツナさん最近女子と仲いいみたいです。だからハルの入る隙間なんてないかもしれません。」
どうやら片思いみたいだ。じゃあ諦めるしかないんじゃない。
「でも!ハルは!
このシュークリームでツナさんのハートをゲットしてみせます!」
彼女はガッツポーズ片手に意気込んでいた。
「じゃあありがとうございました。」
彼女はそう笑顔で走って行った。
なんで頑張っているか、
なんで笑っているか、
なんてわからない。
だけど僕は君のシュークリームの味を忘れられなくなった。
笑顔とシュークリーム
(もう一回ぼくにちょうだい)
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