reborn4

□さよなら、
1ページ/2ページ

※暗いです 死ネタです
約10年後




、、、

「ハルていつも笑ってるね」
「そうですかあ?」

ボスから書類を受け取った時にそう少し笑って言った。それに秘書のハルはまたニコッと笑って答えた。

「うん。
俺、ハルの笑顔好きだなあ」
「、ありがとうございます」

そして秘書はまたニコッと笑った。それにつられボスも笑い、コーヒーを口にした。


和やかな空気が流れていた





、ように見えたが違かった。




イライライライラ…



それは彼女の心中でずっと鳴り止まなかった







いつからだろう、
嘘の笑顔で、
イライラと鳴り始めたのは。



いつも笑顔、
なんて脳天気な女なんて思ってたら大間違いよ。











それから和やか、いや和やかそうな空気が流れたある日、




気づくとハルの手は真っ赤だった。


さっきまで何していたんだっけ……


いつものようにハルは笑ってボスも笑って何か話してて、、、


ボスは床に倒れていて、ハルの手も服も真っ赤で、


何の話、していたんだっけ さっきまで
昨日も一昨日もずっとずっと、
思い出せない思い出せない思い出せない

でも理解ってしまったこと。


それはナイフ、血まみれの、ハルの手に。



わたしが刺したの、
わたしが殺したの、
わたしがいつ、
どうやって?


たくさんの疑問に混乱していると、


勢いよくドアが開く音と同時に、

「十代目、どうなさっ―?!」




この現状を見てボスの右腕は二の句が繋げなくなってしまった。


そうよね?秘書がボスを殺した現場なんて見たら、ね。

ああ、わたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたし



ああそうだ
この人は一番にボスのことを考える人、




ならば私も死のうじゃないか、






自らにナイフを向けて体に思いっきり刺した








さよなら、私を必要としない世界





最後に私を呼ぶ声がした
その時だけはあの音は鳴らなかった




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ