reborn4

□残酷なのは、
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何人かかってもこのザマか。
弱えー、弱すぎる。
カス野郎達が。

林の中で突然何十人くらいかのマフィアに襲われたが、
今では周りで血を流し寝転がっている。

とんだ無駄な時間だった。

そう思い煙草を一服した。ふと草陰で物音がした。打ち倒そうと瞬時に銃を向けたその時声に似たような叫びがした。

「待ってください!!!」

普段そんなこと言っても殺す奴は殺す、それがザンザスだ。だが、その声でその人物がわかってしまうと銃を向けたまま止まった。草陰で飛ぶような音がして見ていると声の主が正体を現した。

「こんな痛い気なうさぎちゃんまで殺す気だったんですか?!」

なにやらその少女は怒っていた。胸にはさっき物音を立てていたうさぎを抱きながら。それから誰もが恐れるヴァリアーのボスへと着々と足を進めた。

「こんなにプリティーなうさぎちゃんですよ!?」

「・・・・・」

「これ以上無駄な殺生をすることないじゃないですか!!」

そういうと少女は周り、つまり寝転がっている何十体もの死体をを見渡した。

「・・・残酷です」

さっきまでの勢いがどこかにいってしまうほどの小さな声でそう呟いた。

「・・・・・・悪かった」

大して反省はしてないが少女の悲しそうな顔を見ていると思わず口から出ていた。



「まあ、今日はザンザスさんの誕生日なんで許してあげます!!」

少女は左腕でうさぎを抱きかかえ、右手でポケットから小さな箱を出し、ザンザスに渡した。

「・・・?」

「お誕生日おめでとうございます。」

ニッコリとここでは似合わない笑顔を向けた。彼女はいつだってここには似合わない、マフィアの世界なんて。

「ハルー!」


「はひ!ベルさんがお呼びです。ではこれでハルは失礼します!」

「・・・・・・」

「あ、大事に使ってくださいよー!」

少女は結局うさぎを抱きかかえたまま上司が呼ぶ方向へと叫びながら行ってしまった。




「こんなもん・・・・・」

ピンクのリボンで結ばれた小さな箱を見てザンザスは一人呟いた。握り潰そうとしたが、やめた。仕方ないからもらってやると思った。




残酷なのは、
(どっちだか、)





マフィア界には決して似合わない少女だから、
愛しい。



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