reborn3
□好きと言えるように、
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少しだけ道に広がって友達との下校。それはふざけたり大笑いしたりと周りが見えなくなるくらい楽しくて、
そんな光景を窓から見下ろしていた。
ああ、懐かしいではないか。自分も、ツナさんと山本さんと、獄寺さんと仲良く帰っていたないか。あの頃はみんなが大好きで、もちろん京子ちゃんもビアンキさんもランボちゃんもイーピンちゃんもみんなみんな大好きで、
なんて、懐かしいんだろう。
大好きだったみんなとはどれくらい話していないんだろう。
「何見てるの?」
部屋の主は書類を目に通しつつそう問いかけてきた。
「なんでもありませんよ、雲雀さん」
少しだけ笑い、彼の向かい側のソファーに座る。
「それより、まだ終わんないんですか?」
雲雀さんの手は構わず動いていた。でもよくあることで、ハル自身この時間が好きでもあった。座り心地の良いソファーにおいしい紅茶に我が道を行く雲雀。
「ねえ、
きみはぼくをすき?」
目が自然にあう。突然の言葉に何も返せなくなった。
「終わったよ、行こうか」
そしたら何もなかったように雲雀が続けて言った。
「はい、お願いします」
一瞬戸惑ったが、そうだった。
私は自分が強くなるために雲雀さんの傍にいるんだから。
屋上へと一歩を進めた。
好きと言えるように、
(心から好きな人へと)
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