reborn3
□一生敵わない
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※ツナがリボーンのおかげで出来るようになってきた、という少し先の話(高校生くらい)
「リボーン!」
「なんだ、騒がしいな」
「見て!90点取れたよ!」
ツナは階段をかけあげ自室の家庭教師に息を切らしながら報告する。勿論、手にはその証を持ちながら。
「お、スゲェじゃねえか。10点アップしたな、ダメツナ」
「もうダメじゃないよ、今日女の子にメアド聞かれちゃったし!」
「………」
「あ、も、勿論断ったよ!!だって俺には、」
「京子に告白しろ、」
「え?」
ツナは持っていたテストを落とした。
「それをクリアしてこそ、ダメツナ卒業だからな」
ツナからは一気に嫌な汗が流れる。
「リ、リボーン」
「死ぬ気弾はナシだからな」
「いや、ちがくて、」
「なんだ?ずっと京子が好きだったんだろ」
違う!違うんだ!
「俺はハルが好きだ!」
ツナは必死に叫んだ。リボーンは少しきょとんとした。
「ハル?」
「………あ、ああ」
「『くっつくな』だとか言っといて?
京子が散々好きだと言っておいて?
散々俺達に協力させといて?」
リボーンの目は真剣というより怖かった。怒っているのかとも思え、ツナは汗ばんだ手を握りしめた。
「オレ、ずっとわからなかったんだ。恋が。今までの俺は憧れに夢中になってただけで、中身を、現実を見ようとしてなかったんだ。俺、ハルがいないとダメだって気づいたんだ。ハルが好きなんだ。」
リボーンは黙ったままだった。目がどす黒かった気がする、中も。
「もしかして、リボーンも、」
切り詰めた空気が流れた時勢いよくドアが開いた。
「ツナさーーーん!」
ツナの胸に飛び込んできたのは先ほどまで話題だった彼女。その拍子にツナはしりもちをつき、彼女は至近距離に座っていた。
「ハル?!くっ、」
『くっつくな』と言おうとして止める。いつもの嘘の言葉だから。ハルは構わずカバンから何かを出す。
「今日調理実習でお菓子作ったんです!」
食べて、と言わんばかりにツナに近づけてくる。いつもの恥ずかしさで焦りそして誰かに、リボーンに見られてないかと周りを見る。先ほどまでいたリボーンはいなかった。それに少し安心するとハルの開いた鞄を目にした。そして白いアレを見つけ、引っ張った。
「はひ?!ツナさん」
そこには100点と赤ペンで書かれていた。ショックを受けつつ、気合を入れツナは決心した。
「ハル。」
「はい?」
「……好きだ」
「はい、ハルも大好きです」
「…付き合ってほしい、」
ハルはやっと事態を把握し笑顔で答えた。
「喜んで!」
そしてツナは初めて自分からハルを抱きしめた。
「クリアだ」
その時独特な声が聞こえた。見ると先ほどまでいなかった人物だった。
「俺にもハルにも
よく言えたな、ツナ!」
「えっ?!もしかしてリボーン、」
パニクるツナをよそにリボーンは少し口角をあげた。
一生敵わない
(やられた、)
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