reborn3

□包容力
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最初から言ってたじゃないですか。嫌いだって。



「タバコ、」

「ぁあ?」

「やめて、って言ってるじゃないですか」

「・・・嫌だ」

ここは女子校ですよ?みんなあなたみたいなガラの悪い人見たらひきますって。

「ただでさえ目つき悪いのに」

「ぁあ?」

「なんでもありませんよ、行きましょう」

迎えに来てって頼んでないのに毎日来てくれる、やめてって頼んでいるのにタバコはやめない、獄寺さん。私の、彼氏。別に迎えに来てくれるのは嬉しいんですよ?ですが恥ずかしい以前にガラの悪いあなたは変な目で見られるしハルにも悪い噂がたってしまうんです。

だから、
せめて、
タバコやめてほしいのに。。

「獄寺さん、絶対評価って知っていますか?」

「なんだそれ。」

ああ、知らないでしょう。今の日本はただ頭がいいだけじゃダメなんですよ、授業態度や課題の提出など普段の生活も評価の対応となるんですよ。

それをカバーするだけ点とりゃいいんだろ、ですって。

自信家、ですねえ。

ふと彼が立ち止まる。何か悪いことでも言ってしまった?

「ご、獄寺さ、」

「ハル」

これはいつもの合図。
アホ女とさえそんなによく呼ばないのにハルって呼ぶのは二人だけの時だけ。(以前皆の前で口から出てしまった時はなにやら機嫌が悪そうだった)ハル、って呼ぶのは目つぶれってことなのにいつも緊張してしまう。さすがに目つぶるのには慣れたけれど顔は暑くなるし手をぎゅっと握り締めてしまう。それでも彼の唇は私の唇を奪う。そして目を開けると私の顔を見て笑う。

「真っ赤、」

「う、うるさいです!!」

余裕こいちゃって!そんなことよりした後わかるんですよね。タバコのにおいが。ハルにも移っているって。唇だけじゃだけじゃなくて。家に入って着替える時に制服も髪もにおいがついてるってわかるんですよね。もう!だからやめてほしいのにって思うけど、これは証拠なんだな、と。私と彼の一緒にいた、付き合っている証拠。
そう、まるで、

「・・・包まれているみたいな、」

「あ?突然どうした?」

「き、聞いてなかったんですか!タバコのメリットいってますのに!」

「ふーん。お前も吸えば?」

「は、はひっ!ふざけてるんですか!!」

彼は大笑いして、ムカついたけど、笑うのは珍しいから、許すことにした。彼を見ていたら目があって腕の中へ引き寄せられた。

「はひっ」

「・・・タバコの方がよかったか?」

「い、いいえ!獄寺さんがよかったです」

彼の背中に手をまわした。









(包まれているみたい、じゃなくて)
(包まれている!)




fin
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