reborn3

□一人でも
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「俺京子ちゃんと付き合うことになったんだ」
「私ね、ツナくんと付き合うことになったんだ」


笑顔でそういう二人の顔が何回も何回も頭の中でいう。
頭にこびりついて離れない。

少女お気に入りの河原にきていた。流れ流れる川を見ながらずっとそんなことを考えていたんだ。

これは失恋なんだろう。
だけど悲しい、と思わない。
嬉しい、とも思わない。
涙だって出てこない。
なんでだろう?

「ハルー、ケーキ食うか?」
「モンブランもあるのな」
「チッ、アホ女が世話やかしやがって!」

お兄ちゃんのようなディーノさん、
優しい山本さん、
本音を言わない獄寺さん。

「わあ!ありがとうございます、ディーノさん山本さん!」
「オイ、シカトかよ!」
「アウトローなんて知りませんよっ!」

「クフフ、ハルさん僕もいいですか?」
「どうぞどうぞ!ぜひ骸さんも!美味しいですよ」

さりげなく笑ってくれる骸さん。

「ねえ群れてないで行こうよ、ハル」
「たまには群れたっていいじゃないですか、雲雀さん」

絶対傍にいてくれる雲雀さん。

「ハル食べようぜ!」
「んじゃ乾杯な、ハル!」
「仕方ねーから、付き合ってやるよ、アホ女」
「いい場所ですね、ハルさん」
「食べ終わるまでならいいよ、ハル」

みなさんがいるからですね。

そして、ツナさんも。

ここはツナさんを好きになった場所ですから、
みなさんとこうしていられるのもツナさんのおかげです。


一人でも
(独りじゃない)

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