reborn3

□変わってゆく気持ち(4000HIT)
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俺は超一流の家庭教師だ。
ツナ以外にも、山本、獄寺、雲雀らを育てている。そして彼女も。
俺は生徒をよく知っている。





「うぐっ・・・」

なぜ知っているか、それは様子を偵察しているからだ。

「ううっ・・・」

だから一人で隠れて泣いていたってわかるんだ。

「うっ・・・うっ・・・」

何回も見てきたその姿。
もう我慢の限界だ・・・。

「ハル」

「うっ・・・リボーンちゃん?」





「もういいぞ」





***





「リボーンちゃん、空がきれいですね」

「ああ、そうだな」

俺はハルの小さな肩に乗りつつ答える。ハルはすっかり元気になった。ツナから解放させてよかったと思う。あの時の彼女は痛々しくて見て入れなかった。だから俺と共にいることをすすめて、今日も散歩に出かけている。

「それにしても本当最近平和ですね。リボーンちゃんのおかげです!」

「ん?」

「ハルはリボーンちゃんといるとすっごくハッピーです。」

「そうか。」

「はいっ!」

俺達二人は付き合ってはいない。それによって彼女を苦しませたくなかったから。ただ俺はハルの傍で守っていたかっただけ。

「はひ?リボーンちゃん顔赤くないですか?」

「な、なんでもない!」

「?風邪は引き始めが大事ですよ?!」

「お、俺は超一流の家庭教師だぞ!風邪なんか引くか!!」

「はひ。そうでしたね、ふふっ」

ハルは不思議だ。
今までのどんな女たちよりガキなのに、、、、、
傍にいるだけで「恋」という気持ちを思い出させてくれた。
一番すきになってしまった。

”ハルはリボーンちゃんといるとすっごくハッピーです。”

ただ、それだけで嬉しくなるんだ。




***




あれから10年。
俺達は恋人でもないあのままの関係を続けてきた。

ただ一緒に散歩して
他愛ない話をして
笑いあう。

それを時々するだけ。
そしてその日が今日だ。

「リボーンちゃん!」

ハルの大好きな公園のベンチで座っていたところ声がし振り返るとハルの姿が見当たらない・・・。

「ここです!ハルはここですよ!」

そう変わらず元気な姿で大きく手を振る彼女は・・・・

「・・・ハルか?」

「そうです!ハルですよ!」

にっこり笑う顔はやはり彼女だ。髪があんなに長かった髪が肩の上までの、ボブカットになっていた。

「ふふっ、大人っぽくなりましたか?」

「ああ。」

思わず見惚れてしまうほど美しくなった。暫くあってなかったのもあるが、髪型一つで変わるものなのか。ハルは元からきれいだが。

「はひっ!!リボーンちゃんが褒めるなんて珍しいですね!!」

真っ赤な顔に手を当てて声をあげた彼女を目を細めて見た後
一歩ずつ歩き始めた。

「それにしてもなんで髪切ったんだ?」

「ハルはもう24ですよ!!いつまでもポニーテールもどうかなと思いましてね」

俺はハルのポニーテールも好きだったぞ。今の髪型も好きだがな。

「24かあ・・・」

もう24なのか。もう子どもではない彼女。

「あ、あんまり人の歳繰り返さないでくださいっ」

(自分から言ったのにな。)

「リボーンちゃんはいくつなんですか?」

「・・・じゃあ24」

じゃあってなんですかって笑われる。(『ちゃん』で言われる歳ではないことは確かだぞ?)

変わらない君。
変わったのは、俺。

「ハル」



「なんですか?」

「結婚するか?」





「はひぃ?!!な、何故ですか?!」

「結婚したいと思ったからだ。」

「え?!え?!」

彼女の目はグルグル。本当に面白いな。

「そ、それってリボーンちゃんはハルのこと、その、す、すきってことですか?」

「ああ、愛してる。」

「っ!!」




「だから結婚しろ」

傍にいてほしい、ずっと
と欲をいうようになった俺がいた。




***





ボンゴレのボスになってから10年経つ。最初は嫌だ、嫌だと思っていたが今では皆を守るためボスをしている。

ーみんな?
彼女は守れているのだろうか。
俺は彼女を振り、10年前好きだった人と付き合ってがうまくいかなかった。
あれ以来会ってない彼女のことがどうも心にひっかかっていた。

俺のためにいつも小走りしてきてくれたハル。
そうこんな風に。

ーこんな風に?
ここはボンゴレのアジトでそんな小走りするやつなんかいない。(ましてやボスの前で)

「あ・・・」

この声は懐かしい。ああ、そうだ。ずっと聞きたいと思っていた声だ。

「ハル・・?」

小さくうなづいた。彼女の髪は前のように元気よくポニーテールが揺れていなかった。そのかわり顔のまわりでそわそわとゆれていた。

「髪型、変わったからわかんなかったよ。久しぶり」

キョロキョロと彼女は目を動かした。きっと気まずく思っているのだろう。

「お久しぶりです、ツナさ、いやボス・・・」

「ツナでいいよ、ハル」

その呼ばれ方で呼ばれたい。そう思った。今はボスって言われているからか名前で呼ばれたいと思った。

「あ、あの・・・・リボーンちゃ、リボーンさんは、」

でも呼んでくれなかった。変わりに違う男の名前を。
・・・リボーン?

「お、よく来たな、ハル」

「あっ!リボーンちゃ、リボーンさん!」

彼女の嬉しそうな顔は俺じゃない男に向いている。あの頃はいつだって俺だったのに。

「急に呼んで悪かったな」

「いえいえ!大丈夫ですよ」

「じゃああっちの部屋で。」

・・・こんなに二人仲良かったけ?

「あ、ちょっと先行っててくれ。あそこだからな」

「はい、わかりました。」

リボーンは前に歩いていたのに振り返り俺を見る。

「ツナ」

「なんだよ?」

「言っとくが俺とハルは結婚してんだぞ」

「ハァ?!?!」

なんだそれ。リボーンとハルが。
『マフィアのボスの妻』になるって言っていたハルが、あのハルが俺以外の男と、リボーンと結婚だって???!!!!!

「考え中悪いんだがな、」

「?!」

「もう前のようにとかいかないからな」

「!!・・・リボーン!」

彼は後ろ手で手を振り、去っていった。

リボーンは俺以上に俺を理解していて、俺より先に俺の気持ちをわかってしまった。(ああ、俺はハルだから名前で呼ばれたかったんだ、)

じゃあさあ、
ハルは髪形が変わったからじゃなくて、キレイになっていた。それは俺じゃなくてリボーンのおかげだっていうのかよ?
認められるかよ。







変わってゆく気持ち

Tuna→Haru
(愛しているから、涙がでてきた)

Reborn→Haru
(人をこんなにも愛したことなかったけど)

Haru→Reborn
(ずっと愛してくれますよね?)



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