reborn3
□知らなかった!
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ふと体育館の壁にもたれていた。ああ野球部大変そう。山本くん達はよくやるなあって思う。夏休み明けだというのに夏休みくらい暑い今日は私にはとても運動なんてしたくないと思う。立っているだけ暑いから。
今あの子が後ろを通った気がした。だってあの子のかけていく音がした。(そのかわいい足でいつもツナくんのところへ向かっているの)(悔しい)(少しじゃなくて凄く)
ちょうど角から覗き込むとほら、あの子だ。でも、いつもと様子が違う。顔が真っ青で今にも泣きそうな顔。そんな顔しないで、抱きしめてもいいかしら?
「ハル」
やけに低い声。それは私のでもハルちゃんのでもない。獄寺くんのだった。
「ハルはっ……」
ハルちゃんの苦しそうな声。スカートをあんなに握って、抱きしめてあげるからそんな声出さないで。しかも私以外の前で……
「ツナさんが京子ちゃんを好きだって知っていました!」
ハルちゃんは言った瞬間かわいい目から涙をたくさん溢れ出した。獄寺くんは全然怖くない目をしてかわいいハルちゃんの頭を撫でた。ああ、触らないでよ、そんな恋する目しちゃって。そしてかわいいハルちゃんの手を取り裏門から出て行った。