reborn2

□最後になんてさせないからね
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「白蘭様」
「何、レオ君」
「先日捕まえたボンゴレの−」


今廊下を歩いている。
興味が沸いたのだ。なかなか口の割らない人質に。
しかも10年前の姿だそうじゃないか。ますます興味がわいた。

レオクンにデータを、と言われたけど気に食わなきゃ殺すつもりだし情報を得れたとしたってあの子自身がどういう人物だと関係ない、と思って拒否してドアの前にたった。

プシューッ
ドアが開くと一人少女がいた。

「やあ、こんにちは」

にこやかに言ったつもりだったが相手は全く笑わない。
ああ、こんな無表情で断固として何も言わないのか。まあ一応質問してみよう。

「ボンゴレの関係者だよね?」
「・・・」
「今までボンゴレと一緒にいたの?」
「・・・」

喋んないな。ずっと俯いているから下から見上げて質問しているのに視線をどこかへやってしまうし。

「・・・いです」
「・・ん?」
「知らないです!!」

初めて聞いた声。か細いのにこんなに大きい声が出せるんだなあ。

「でも君ボンゴレの関係者でしょ?」
「ハルは知りません!!それになんですか、ここの人たち。人にものを尋ねる時は名前を名乗るべきです!」

君はこの状況わかっているの?人質だよ、人質。まあいずれか殺すけどね。そんなんなのに礼儀だとか言ってる場合なのかな?こんな強気な少女初めて見たよ。ユニよりは上かな。ユニとは違うタイプだな。

「白蘭だよ、よろしくね、ハル」
「はひ?何故名前を・・・・」

なんだこの少女!さっき自分で言ってたじゃないか。自覚ないのか。

「な、なんで笑うんですか」
「だって君自分で言ってたじゃない」

また驚いて奇声をあげる。本当なんだこの少女。おかしくて仕方ない。
ああ、そうだ。
笑いながら名案が思いついた。

「ハル」
「な、馴れ馴れしく呼ばないでください」
「じゃあ、ハルチャン」
「はい」
「何食べたい?」
「え?」

ハルは騙されません!なんて言う。また僕は笑う。騙すとか考えてなかった、自作剤でも入れるとか考えていればよかった。だって僕が考えていたのはもっと別のことだから。

「ねえ、そんなこと言ってていいの?」
「?」
「最後の晩餐になるかもよ?」
「・・・」

彼女は絶句した。初めて弱いところを見たかもしれない。最初何も言わなかったってことは殺されるだったけどやはり死ぬのは怖いんだろうなあ。だってまだ少女だから。

「モ、モンブラン」
「モンブラン?」
「モンブラン・・・です」

晩餐だって言うのにそんな甘いもの頼むかなあ。また笑いそうになったけど耐えてみせた。

「わかったよ、用意してあげる」

後から待っててね、と付け加えドアが閉まった。
外でまっていたレオクンの書類を取り上げ僕は言った。

「データ見せて」


(さあ、はじめよう)




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