summer triangle

□絶対譲れない
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(ああ、だからクロームは朝から何も食べなかったのか)
『ハルがケーキ持ってくるんだから!!』という思考だったのだろうと考えつつ、千種は紅茶を淹れる準備をしている。
「あ、千種さんハルも準備しますよ!」
なんて駆け寄ってきたものだから、犬やクロームに嫉妬されないかと思ったら二人はケーキ選びに必死だった。それを見ていたのを気づきハルは「かわいいですよね」と笑って言った。
「・・・ハルもかわいいよ」
「はひ?」
思わず口に出てしまったことになんでもない、と赤面しつつ否定した。
「千種!紅茶はコレにしましょう!!」
骸が手に持っていたのは今まで飲んでた紅茶とは格段に違う高級品だった。どこから取り寄せたのか、どこに隠し持っていたのか。

「はひ!美味しそうです!」
「でしょう!ハルのために、って千種大切に扱ってくださいよ!!」

千種は骸の手から乱暴に取った。そして準備が整いリビングに運んでいった。

「ハル、これが食べたいびょん!」
「ハル、これ食べたい。」
「わかりました、今とってあげますからね」

犬、クロームが言うとハルが皿にいれようとソファに座ったので紅茶を渡しながら千種も隣に座った。

「柿ピー!ずるいびょん!」
犬がムッとして喋った。
「は?」
「私、ハルの隣に座るもん」
続いてクロームも。
「いや、私がハルの隣にふさわしい!!」
そして変態・・・否骸も。
「骸様の隣になんて座ったらハルが汚れる・・・」
「え、クローム?!」
骸には何か聞こえた様だった。
「とにかく、俺がハルの隣に座るびょん!」
「犬、ずるい。私がハルを呼んだのに」
「ま、まってください!ハルの隣は二つありますよ?」
流石に笑っていられなくなり、ハルは口を挟んだ。
「じゃあかたっぽは私だよね」
「クロームずりーぞ!柿ピーどくびょん」
「・・・やだ」


「ケ、ケーキを分けれません・・・」
おまけに紅茶も冷めてしまうなんて思ったハルだった。ちなみに誰が用意してくれた紅茶だったかは忘れていた。



絶対譲れない




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