reborn

□冗談でも言えねえ
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「お前……」
「嘘ですよ!」
「は?」
「送ってくれてありがとう御座いました!」

さっきとは打って変わっていつもみたいに天真爛漫な笑顔を見せた。
なんだよ、冗談かよ……と思うと可愛らしい玄関の近くからひょっこり顔を出してまた俺を戸惑わせることを言う。

「嘘の嘘、」
「んあ?」
「の嘘の嘘の嘘の嘘の嘘の…」「あー!もういいって」

呆れたようにうんざりしたように言うと、ふふ、と笑った。なんなんだ、コイツは。人の気も知らずに。じゃあ、また明日です、とついにはきちんとドアを締めた。

結局冗談だか本気だかわからない。でも俺にはどっちでも言えない。


冗談でも言えねえ
(少しだけお前が羨ましい)
(だけど俺が言うときは本気だから、覚悟しろ)


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