僕と仲間の学生日記。
□俺の部屋に、何かいる。
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「おや、あっさり。もう少し驚くと思ったが。近頃の人間はいや、胆がどっしりと構えておるようで。」
「俺…、夢でも見てんのか?」
「如何なされた?」
「いや、君のことで。え、どっから聞けばいいの?」
「ああ、これは失礼した。我が名は先程申した通り。妖怪の部類に入るはず。と言ってもただ人語が話せるだけなのだが。」
すると猫は俺を大きく見上げながら話し始めたので、取り合えず胡座をかいて床に座った。
「ちょ、ちょっと待て。」
「ん?」
「妖怪…って?」
「妖怪も知らぬのか。よいか、妖怪と言うものは――」
「じゃなくてっ、何で今の時代に妖怪とかがいるんだ!」
「妖怪は時代関係なくおるよ?」
「マジなの?」
「マジなの。」
「これ信じていいのか?」
「これしか言えることないの。」
「……そ、そっすか。」
信じがたいけどこうやって目の前で喋ってる以上、否定できない。
どうやらこれは俺の幻覚でも妄想の産物でもないようだし。
色々納得しないけど、腹くくるか。
わぁー、俺って適応力すげー。
……あ。
「そういえば、本とかで読んだことあるけど、妖怪って人には見えないんじゃ?」
「…あぁ、それは半分本当で半分嘘。」
「…どういう事っすか?」
「つまり、妖力の強い妖怪は見えんけど、弱い妖怪は見えてしまうと。」
「へー。じゃ、君は弱…?」
「なかなか失礼な奴だな。」
「はい、すんません。」
俺、猫に謝ってる。
何だこの状況。
「私は猫まただ。知ってるか?」
「……、あ、知ってる、かもしんない。」
「お、そうか。いやな、妖怪の世界も不況でな。ちとゴタゴタがあったもんで、知り合いのお前の母親を訪ねたんだ。」
「は、もっかい言って?お前の?」
「母親。」
「え、えぇー。」
母さん本当に何してんだよ。交友範囲広すぎだろ。初耳過ぎる。
「ちょっ、も、かーさーん!二階来てー!理解の範疇を越えた!」
これが夢なら喜んで。
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(なぁ、にゃんこさんよ。)(?)(ご飯はキャットフードで良いの?)(や、魚が良い。)(わがまま。)