宵の明星

□せめて、夢の中…
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あいつを押さえつけて悲鳴も出せないほど強く唇を吸う。
抵抗する両手を一まとめに掴み薄い布を引き裂く。

「嫌、嫌だよ志波くん!どうしちゃったの?お願い、止めて!」
泣きそうな声で哀願するおまえに冷たく言い放つ。
「…別にどうもしない。
おまえはオレのものと分からせるだけだ」

言葉も無く呆然とするあいつの首筋から胸元までいくつも跡をつける。
触れたかった部分全て…要は全身だな…に指と舌を滑らせる。




心のどこかで小さい声がする。
『やめろ、そいつを傷付けるな』、と。
うるさい。
聞こえない。
もう何も聞こえない。
欲しいものはただ一つ。
願いはただ一つだ。




それを実行して何が悪い?
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