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□花言葉は
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「骸知ってる?」
「さぁ」
「えー、何回も生まれ代わってるだろ?」
「生憎ですが、僕の周りはいつも殺伐とした環境なんですよ。」
なんだよ役立たないなー、なんて言葉は聞き流す。久しぶりに部屋にきたのにつれないものだ。愛しい人の目の前に置かれた植木鉢を睨む。
添えられたカードには
『花言葉を貴方に』
「せっかくランボがくれたのになぁ。あいつ自分から贈っておいて、花言葉教えてくれなかったんだよな。」
出された名前に眉をひそめる。てっきり煩い右腕からかと思っていたが。まさか弱小ファミリーのヒットマンごときからだったとは。
「貴方も随分悠長ですね。」
「え、あいつ一応セキュリティはパスしてるし。大丈夫じゃない?」
問題はそこではないのだ。
とぼけた応えは計算なのかと心の中で舌打ちをする。そろそろ私の相手をしても良いんじゃないですか。とは、口が裂けても言わないが。
「あ、獄寺君なら知ってるかな」
これ以上、時間を削られてはたまらない。部屋を出ていこうとした腕を掴んで、細い体を引き寄せる。
「知ってますよ、薔薇」
花言葉は。
end