□花言葉は
1ページ/1ページ

「骸知ってる?」
「さぁ」
「えー、何回も生まれ代わってるだろ?」
「生憎ですが、僕の周りはいつも殺伐とした環境なんですよ。」


なんだよ役立たないなー、なんて言葉は聞き流す。久しぶりに部屋にきたのにつれないものだ。愛しい人の目の前に置かれた植木鉢を睨む。

添えられたカードには

『花言葉を貴方に』

「せっかくランボがくれたのになぁ。あいつ自分から贈っておいて、花言葉教えてくれなかったんだよな。」

出された名前に眉をひそめる。てっきり煩い右腕からかと思っていたが。まさか弱小ファミリーのヒットマンごときからだったとは。

「貴方も随分悠長ですね。」
「え、あいつ一応セキュリティはパスしてるし。大丈夫じゃない?」

問題はそこではないのだ。
とぼけた応えは計算なのかと心の中で舌打ちをする。そろそろ私の相手をしても良いんじゃないですか。とは、口が裂けても言わないが。


「あ、獄寺君なら知ってるかな」


これ以上、時間を削られてはたまらない。部屋を出ていこうとした腕を掴んで、細い体を引き寄せる。


「知ってますよ、薔薇」


花言葉は。


end
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ