\この世はでっかい宝島!/


□新年の始まりを湯船から
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新年の始まりを湯船から(正月/コンラッド)
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正月早々、こちらに来た彼女が出た場所は彼女にとってなかなか最悪だったらしい

「…………」
「……あぁ、おかえり」
場所が場所だけにびっくりはしたが中々俺は冷静だった
綺麗に着飾ったキモノは水でべしゃべしゃで、まとめた髪はほどけて顔に張り付いていた。
それはなんとも色香があってフリーズする彼女に手を伸ばしかけた





「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
「!」
思ったよりも彼女には刺激的だったらしく、目をつぶって水に潜ってしまった
近場にあったタオルを掴み、腰に巻いて彼女を引き上げた
「そんな事しても帰れないよ?それよりその反応は少し傷つくなぁ」
思わず苦笑いがうまれた
「ご、ごめん…」
「恋人の裸を見て、悲鳴あげちゃうんですか?」
「だって…まさかコンラッドのお風呂場に出るなんて予想してなかったんだもん!」
それはこっちのセリフ
「君が来るなんて聞いてなかったよ?」
掴んでいる彼女の腕が冷えてきたから、とりあえず風呂から出てバスタオルで彼女の髪を吹いた

「あたしも初詣中に突然で…」
友達と一緒にいたことや、突然こっちに来る兆候があったことなどを早口で話す彼女の話を聞きながら、俺は彼女の腰に巻きつけてある紐を一本解いた
「…コンラッド?」
大き紐、記憶が正しければこれはオビといった筈。それを解いている最中に彼女の言葉が止まった
「ん?話を続けて?」
「い、いやいやいや!手を止めて?」
「温まらないと、こんなに冷えてる」
冷えた彼女の手を俺の首に当てる
「それは!わかるけど!!」
「お風呂とベッドはどっちがいい?」
「2択!?じゃ、お風呂に一人で入る!」
「残念、俺も風邪ひきそうだ」
キモノから見える素肌に俺の手を当てた
「冷たっ!」
「だから、ね」
最後の紐を解いて、キモノを下に落とす
手早く下着を取り払って(彼女の言い分も聞かず)
「ちょっ…」
「温まろう」
手をひいててまだ暖かい湯船に導く
「あけましておめでとう」
「…うん」
「こんな所であなたと新年を迎えられるなんて俺は幸せだな」
「や、あたしは微妙なんですが…」
「来年はもっと手際よくキモノを脱が「うるさい!」


1年のはじめをこんな風に彼女と過ごせるなら、眞王に感謝をしてもいいと思った

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