すとろべりぃパフェ
□友達
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あい「授業終了後提出になりますので、あの…」
運んでいた課題のプリントの半分は隣のクラスのものだった。数学準備室に行った際頼まれたらしい。
どうやら遠藤さんは頼まれると断れないみたいね。
それから自分の教室に戻りプリントの説明を始めた遠藤さんだったけど、誰一人見向きもしない。
友達同士で話したり、メイクを直したり、本を読んだり…
そんな中で遠藤さんは困惑しながらも説明を続ける。
…なんか無性に苛立つわね。
キィィィィィィ
「「きゃぁぁぁぁ!!」」
爪で黒板を引っ掻いてやった。叫び声が聞こえるけど無視。
リノ「この時間は自習です。課題を終了時に提出して下さい」
視線はこっちに向いたが「えー」だの「めんどい」だの非難の声しかあがらない。
リノ「やりたくないならやらなくていいんじゃない?あとで困るのは自分たちなんだし」
有希直伝黒笑みで黙らせた。
あとで今日のことを伝えたら、そんなの教えたことない。なんて言われたけど。
静かになったところで遠藤さんに振り向いてプリントをやろうと声をかける。
あい「…ありがとう」
お礼を言われるようなことはしていないけど、俯きながら可愛く微笑んだので、素直に受け取ることにした。
あたしたちが席に着くと周りの人たちも次々とプリントに手を付けだした。
***
リノ「へぇ〜遠藤さんは家庭部なんだ」
授業が終わってプリントを運ぶ遠藤さんに声をかけ、一緒に行くことにした。
数学準備室に運び終えて教室に戻る中、遠藤さんは中等部から武蔵森で家庭部に所属していると聞いた。
あい「うん。工藤さんはサッカー部だよね?」
リノ「マネージャーだけどね。よく知ってるね?」
あい「有名だから」
有名って、そんなになのかな?
まさかあたしの情報全て流れてたりしないよね?
そう思うとゾッとした。
あたしが黙ってしまったことに首をかしげる遠藤さんに気にしないように告げる。
リノ「あ!」
そんなやりとりをしながら歩いていると前から今では毎日顔を合わせる二人が歩いてきた。
渋沢「工藤じゃないか。何してるんだ?」
リノ「数学準備室に行ってたんですよ」
三上「早速居眠りでもしたのか?」
リノ「失礼な。課題を持っていっただけです」
三上先輩の嫌味な物言いに睨みながら返すが、表情を変えないのにちょっと腹が立った。
睨み続けるのを制しようと渋沢先輩が声をかけた。
渋沢「工藤、今日買い出しを頼みたいんだが…」
リノ「いいですよ。あたしも買うものありましたから」
渋沢「すまないな。放課後にリストアップしたメモを渡すよ」
リノ「はい」
三上「ところで工藤、可愛いの連れてるじゃねえか」
三上先輩は隣にいる遠藤さんを見て言った。
リノ「…そんなエロ目なタレ目で見ないで下さい!」
三上「エロ目なタレ目ってなんだよ!?」
リノ「何って、そのまんまだよね、遠藤さん」
尋ねながら遠藤さんを見ると、俯いて心なし顔色が悪い。
渋沢「どうかしたか?」
リノ「すいません!次移動教室なんでした!行こう、遠藤さん」
渋沢先輩が心配そうに聞いてきたが、早く去った方がいいような気がしてあたしは二人に適当に挨拶し遠藤さんを連れて走った。
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