すとろべりぃパフェ

□ボーリング
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翼「なら、さっさと投げてゲーム終わらせなよ」

シゲ「そやなー。ほな、投げよか」




椎名にせかされ、シゲは10投目を投げる。

結果はストライク。「実力やなー」とさぞかし当たり前という感じで言った。


2球目もストライクで、ギャラリーたちは大盛り上がり。




高井「やるじゃねぇかシゲ!」

森長「10投目でストライク二つならもう一球投げられるね」




…高井と森長……そういえばいたわね。なんか目立たないから忘れてたわ。


黙ったまま自分たちを見るシゲに「なんだよ?」と聞く高井。「何でもないわ」と笑って誤魔化すシゲ。


絶対あたしと同じこと思ってたわね…。



そのせいなのか、慌てて投げた3球目は8ピン。
結果、シゲのスコアは166。




みゆき「有希先輩…これって、リノ先輩危ういんじゃないですか?」

有希「そうね…ちょっとやばいかも」




シゲのスコアを見て、リノのことが心配になった。


そっとリノの様子を見ると、リノは笑っていた。





リノ「ラストはこうでなくっちゃ!」




あたしたちの心配をよそに、リノはこの状況を楽しんでいた。

あぁ…そうだ。この子はこういう子だったわ。




藤代「工藤の勝負心に火がついたー!」

六助「こうなった工藤は乗ってくるもんな!」

翼「乗るの遅すぎ」




そう言いながら、椎名も笑っていた。

選抜でリノを知ってるやつはわかってるんだ。


リノが追い詰められたときでこそやる気があがることに。




全員の反応にさらに楽しくなったリノは10投目を投げた。





リノ「っよし!!」


直樹「ストライクや!」




井上が立ち上がって言う。
リノはブイサインをあたしたちに送る。




有希「ひょっとして…」

みゆき「ひょっとするかもです!有希先輩!」




あたしたちの期待を背にリノは、またもやストライク。




リノ「よし!じゃあ、次ストライク出せばあたしの勝ちよね!」




シゲに向かって確認するように言う。

「そやなー」と慌てるわけでもなくシゲは答えた。


そんなシゲにリノは微笑み、最後の一球を投げに行く。



これで決着がつく。



静寂の中リノがボールを投げる。







リノ「あ……」




おしいっ!と声が飛び交う中、リノが倒したのは9ピン。

「スペア狙っていこーっと」と気持ちを改めたが、スペアにはならなかった。




笠井「おしかったね」

藤代「うん…あれ?じゃあ、工藤のスコアは?」




藤代の言葉に、全員スコア表を見た。





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