すとろべりぃパフェ

□頼みごと
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リノ「そういえば、英士の用ってなに?」




今日うちに来てもらったのはお礼も兼ねてのことだったけど、英士もあたしに用があったからだ。
内容がまだ聞けてないことを思い出して、早速聞いてみる。




英士「あ、そうそうリノに頼みがあるんだよ」

リノ「頼み?なに?」

英士「リノに、彼女になってもらいたくて」

リノ「……は?」




あたしの言葉を最後に、部屋が一気に静まり返った。

英士以外、全員ぽかんと口を開けて固まってしまっている。




「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」




かと思いきや、全員で一気に声をあげた。
かなりの声量に英士は耳を塞ぐ。




結人「ちょ、え!?はぁ!?英士なに言ってんだよ!!」

一馬「そそそそうだよ!!いきなりどうした!?」

英士「どうしたって…」

藤代「いや、郭!いったん落ち着こう!!」




…あんたたちがまず落ち着いて。

あまりにも取り乱す三人を見て、思わず心の中でつっこんでしまった。
他のメンバーに至っても喋りはしないものの、落ち着きがない様子だ。

とりあえず意味を聞こうと口を開きかけたとき、英士から「あ、」と声が上がる。




英士「ごめん、言葉足らずだった。“彼女”じゃなくて“ニセの彼女”になってもらいたいんだ」

リノ「あぁ、そういうことか。ビックリしたー」

三上「いやいやいや!待て待て待て!!」




単に言葉不足だったのがわかって胸を撫で下ろした。けど、すぐにストップが入る。




三上「お前反応薄すぎるだろ!」

リノ「はい?」

笠井「そうだよ工藤。普通はもっと驚くって」

リノ「え?あたしこれでも結構驚いてるけど…」

渋沢「まぁ、あの三人ほどとは言わないが、遠藤さんくらいな反応がないと驚いてるようには見えないな…」




揃いも揃って言われては、自分がおかしいように感じてしまう。
あいだってそんな差はない反応してるはずよ。

そう思って、あいに視線を持っていく。




あい「び、びびびびびっくりしたぁ…」

リノ「…かわいい」

三上「ちげぇだろ!!」




いや、違くないですよ。胸に手をあてて真っ赤になるあいですよ?かわいい意外に何がありますか!!

そう力説しても、もう三上先輩や渋沢先輩は呆れ返っていた。




シゲ「んで、つまりはリノに彼女のフリせぇってことやんな?またなんでそないなことになってん?」




そんな中、シゲがいち早く本題を英士に振った。
その言葉にあたしを含めあいや、騒いでいた藤代たちも英士の言葉を待つ。




英士「…こういうことを頼むのはどうかと思ったんだけど、ちょっと学校で面倒なことがあって」

リノ「面倒なこと?」

結人「あ!!あれか!なるほど!それでリノか!」

英士「…まぁね」




結人の台詞に一馬も「あー」と言葉を濁しつつ頷いていた。

どうやら英士が話す内容を知っているようで、二人からの補足を加えつつ、話を聞いてみることになった。




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