すとろべりぃパフェ

□頼みごと
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藤代「なんで若菜たちが?」

若菜「それがさー!英士が急に工藤ん家に行くとか言い出すもんだから気になって付いてきたんだよ!!」

真田「…お前らってそんな仲良かったのか?」

英士「まぁ…ちょっとね」

若菜「なんだよ、意味深〜。…はっ!!まさかお前らって…」




若菜くんが、ごくりと息を飲んで、真面目な顔をしてあたしと英士を見る。




若菜「付き合って…」

英士・リノ「「ないから」」




「なんだよー」と、どこかつまらなそうな若菜くん。
英士も呆れて物も言えない感じ。


今日あたしが呼んだのは英士だった。
この前迷惑かけたお詫びというのも変だけど、英士の方もあたしに用事があるからと、お互い休みの今日、家にお招きした。

玄関まで行って若菜くんと真田くんがいたのにはびっくりしたけど。




リノ「コーヒーでいい?」

英士「あぁ。ありがとう」

リノ「真田くん、りんごジュースあるけど、そっちにする?」

真田「は!?や、こ、コーヒーでいいよ!!」




顔を真っ赤にして答える真田くん。
うん。やっぱりからかい甲斐があるなー。


面白くてついにやけてしまいながら若菜くんにも飲み物を聞こうと視線を寄せると、若菜くんはあいを見つめていた。




若菜「えっと…」

あい「あっ、はじめまして。私、遠藤あいといって…」

若菜「もしかして、この中の誰かの彼女?」

あい「ふぇっ!?」




…若菜くんは何言ってるの?
彼女って…まったく、適当なこと言わないでよね。
あいはあたしの友達だと話そうとしたとき軽快な声が響く。




藤代「えー!じゃぁ、俺?」




ピシッ

頭の片隅で何かが壊れる音がした。




若菜「まじかー!まさか藤代にこんなかわいい彼女がいるなんて!!」

あい「えぇぇ!?いや、あの…」

藤代「だろー?」




…何を言ってるのかな?このワンコは…

笑顔で冗談を抜かす藤代もだけど、完璧にからかいモードの若菜くん。
…二人にはおしおきが必要みたい。


小さく笑って台所で準備をする。





笠井「(あー…工藤が黒い笑み浮かべてる…)」

真田「お、おい…、結人…」

若菜「なんだよ、一馬。お前も可愛いと思うだろ?」

真田「は!?いや、え、はぁぁ!?」

藤代「なんだよー、照れるじゃん!!」

笠井「…誠二、そろそろ止めないと…」

バンッ




あたしが笠井くんの言葉を遮ってテーブルに二つのグラスを置くとシン…と全員静かになった。




リノ「はい。二人にはリノ特製ジュースをあ・げ・る」

藤代・若菜「「え?」」




二人が青ざめるくらいの満面の笑みで渡したのは、人参一本まるまる入ったキャロットジュースに、トマトを中途半端に搾ったトマトジュースらしきもの。




藤代「いやいやいやいや!!ジュースじゃないから、これ!!」

リノ「飲め」

若菜「飲む!?いやいやいやいや!!さすがに飲むのは無理だって」

リノ「できるわよー。こうやって、人参を口に放り込んで」

藤代「ぶがっ」

リノ「そこからジュースを飲めばいいの」




語尾にハートをつけながら藤代の口にキャロットジュースを注いだ。
暴れるけどどうにか押さえつけて突っ込む。

次第に力が抜けていったかと思えば藤代は気絶した。




リノ「次は若菜くんだね」

若菜「え!?い、いや俺はいいよ!!てか工藤怒ってる!?俺なんかしたっ…むごっ」

リノ「遠慮なく飲んでね」




若菜くんの台詞を無視してトマトジュースを口へと放り込んだ。
藤代に負けず暴れたけど、同じくバタッと音をたて倒れた。


それをしっかりと確認してから、今度は満面の笑みであいへと振り返る。




リノ「あい、困らせちゃってごめんね」

あい「へ!?ううん!全然困るだなんて…えっと二人は…」

リノ「大丈夫!!大好物を食べて嬉しさのあまり気を失っただけだから」




だから気にしなくていいよと言えば、あいはどこか困った顔をしたままだった。





三上「やり方がエグいな…」

笠井「三上先輩…あんまり言うと標的になりますよ」

三上「……」

リノ「じゃ、すぐにみんなの分のコーヒーいれるね」




三上先輩の呟きなんて気にもせず、足取り軽く台所へと戻った。





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