すとろべりぃパフェ
□訪問
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俺は、何を見ているんだろう…
今日、リノが部活終了後、あまりにも急いで帰ったものだから、気になって家を訪れることにした。
渋沢さんも気になったみたいで、一緒に様子を見に行くと伝えると、面白そうだと三上、藤代、笠井もついてくることになった。
寮の門限はいいのかよ…
リノの家に到着して、インターホンを押すが応答がない。
まだ帰ってないのだろうか?
そう思ったとき、ドンという音と「いてぇ!」ていう叫び声が中から聞こえてきた。
竜也「!?」
リノの身に何かあったのかもしれないと、ドアを引くとあっさり開いたので中へ入った。
リビングの扉まで走って勢いよく開くと、思わず固まってしまった。
俺は、何を見ているんだろう?
後から四人が来たが言葉が出ない。四人も少なからず驚いてはいるようだ。
それはそうだろう…
目の前にはシゲに馬乗りになったリノがいた。
藤代「…えっと、工藤何してんの?」
シゲ「おお!ちょうどええとこに来たわ!シゲちゃんこのままやとリノに襲われちゃうわぁ!ヘルプミー」
リノ「なに可笑しなこと言ってんのよ。さっさと脱げ!」
三上「おもいっきり襲ってんじゃねぇか!!」
三上のセリフを無視し、シゲの服に手をかけようとするリノ。
何がなんだか…
俺は頭真っ白になって後ろへ倒れそうになる。
かろうじて笠井が受けとめてくれた。
危険を察知してか藤代がリノをシゲから引き剥がした。
リノ「は〜な〜せ〜っ」
藤代「いでででっ!足!足めちゃくちゃ踏んでるから!」
渋沢「一体何があったんだ?工藤」
渋沢さんが理由を聞くと、暴れていたリノの動きがぴたりと止まる。
リノ「…明日、あいが来るんです」
三上「はぁ?遠藤が来るのに、なんで脱がせる必要があんだよ」
三上の言う通りだ。その言葉と行動の繋がりがわからない。
俺の意識が戻ってきたところで、リノが話しだす。
***
あい「じゃぁ、リノはそのシゲちゃんって子と二人で暮らしてるんだね」
休憩時間、成り行きであたしの暮らしぶりを話していた。あいはあたしがシゲと暮らしていることに興味津々だ。
あい「シゲちゃんってどんな人なの?」
リノ「んー、金髪で関西弁で、人をおちょくることが好きなやつ」
あい「金髪…」
リノ「恐いって感じじゃないよ?」
あい「そうだよね!リノのお友達なんだもん!会ってみたいなぁ…」
リノ「なら明日来る?シゲも家にいるって言ってたし」
あい「いいの!?」
頷くと飛び付く勢いで喜ぶあい。
そんな反応されちゃ断れません!
あい「楽しみだなぁ。シゲちゃんてどんな女の子なんだろう?」
え?女の子??
いやいやいや、待って!確かに男とは言ってないけど…
リノ「あのね、シゲは…」
あい「あ!先生来ちゃった。また後でね」
手を振って自分の席に戻るあいを見送る。
可愛いなぁ…
って、違う!!
あとで誤解をとかなきゃ…
あたしはそう決意したのだった。
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