すとろべりぃパフェ

□友達
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高校に入学してから二週間がたった。


サッカー部のマネージャーとして入部し、今や忙しい毎日を送っている。










ってか忙しすぎる!!




名門武蔵森だけあって人数が多い中、マネージャーがあたしを含めて三人。


少ないよ…


回ってくる仕事は多いし、挙げ句休み時間まで呼び出されるし…




リノ「練習見る暇もないもんなー…」




マネージャーだから仕方ないとはいえ、もう少しサッカーを観たい。


本音を心の中で呟くと共にため息をついた。





ドンッ
「きゃっ!」




女子棟へ続く角を曲がったところで人がぶつかる音と小さな叫び声が聞こえた。




女子「ちょっと気を付けなさいよ!」

あい「ご、ごめんなさい…」




ぶつかった一人が文句を言いながら去っていく。


謝った方の女の子は周りに散らばったプリントを拾い集めていた。


結構な量だな…
きっとあれで視界が狭まったんだろうな。



ぶつかった原因を考えながらそこへ近づく。




リノ「みんな薄情だよねー」

あい「!?」




周りを歩いている人はこの状態を見て見ぬふり。
その中であたしがプリントを集めているのに驚いているようだ。





リノ「はい、これで全部かな?」

あい「うん…ありがとう、工藤さん」




拾い終わり確認をすると名前を呼ばれる。




リノ「あたしの名前知ってるの?」

あい「うん。工藤さん有名だから」




それに新入生代表で挨拶してたし。と俯きながら続ける。


あー…そっか。あれはなかなか目立ってたもんね。藤代が叫んだせいもあって。



彼女は俯いた顔を上げ未だあたしが持っているプリントに手を伸ばすがあたしは放そうとしない。




リノ「半分持つよ、遠藤さん」

あい「え?!なまえ…」

リノ「クラスメイトだから」




彼女、遠藤あいさんは驚いたようにきょとんとしたあと嬉しそうに微笑んだ。






この子…










かわいいな…




有希がいたら「顔が気持ち悪い」って言われそうなくらい今のあたしはニヤついていた。





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