すとろべりぃパフェ
□引っ越し
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ピンポーン
リノ「はーい。あ!いらっしゃい」
卒業式から二週間が経ち、これから一人で暮らすマンションに有希、みゆきちゃん、しーちゃんが遊びに来てくれた。
有希「おじゃまします」
みゆき「すみません。忙しかったんじゃないですか?」
リノ「大丈夫よ。もう荷物の整理は終わってるから」
みゆきちゃんとしーちゃんは顔を見合わせホッと息をはく。
あたしに気をつかって…ほんと、この後輩たちは可愛い。
有希「リノ、顔ニヤケすぎだから」
リノ「おっと、失礼」
可愛いものを見てると自然と顔がニヤケているらしい。それをよく有希に突っ込まれる。
ニヤケた顔を元に戻し、3人を中へ案内した。
しずよ「思ってたより広いですね」
リノ「でしょ?あたしもそう思った」
あたしの部屋は3LK。一人で住むには確かに広すぎる。
有希「よくこんなとこ見つけたわね」
リノ「ここの大家さんが知り合いでね。事情を話したら格安で貸してくれたの」
このマンションの大家さんは元うちの使用人。うちと言ってもお祖母ちゃん家だけど。
その人がマンション経営をすると言って仕事を辞め、見事事業に成功。
もともと貸す人は経済的に大変な人が対象らしい。
あたしも高校生ってことが一応理由だが、親しかったからっていうのが一番の理由。
リノ「要するにラッキー!」
しずよ「確かにラッキーですね」
♪〜♪♪〜
話していると携帯が鳴る。
リノ「はーい」
冬馬『リノちゃん?』
電話の相手は麻井冬馬くん。
あたしの親代わりであり、主治医だ。
冬馬『荷物運び終わったよ。僕は今から仕事だから行くね』
リノ「ありがとう!また改めてお礼する。お仕事頑張ってね!」
電話を切れば、すかさず有希が尋ねてくる。
有希「麻井さん?」
リノ「うん。荷物運び手伝ってくれたの」
みゆき「荷物?リノ先輩、まだ何かあるならお手伝いします」
リノ「違う、違う。あたしじゃなくて…」
説明しようとすると、ドアが開く音に遮られる。
続いて関西弁が部屋に響く。
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