禁断の愛

□届かないからこそ愛しくて
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『・・・え、景ちゃん、今なんて言ったん・・・?』

『・・・っ、何度も言わせるんじゃねーよ!
だからっ・・・お、俺様も好きだっつってんだよ!!』

『ほんま・・・?
ほんまにほんまなん!?』

『だーかーら!!!『嬉しい』・・・は?』

『ほんま、嬉しい。
まさか景ちゃんが俺のこと好きや言うてくれるなんて・・・。
俺ほんまに幸せや。』

『・・・バーカ。
別にこれくらいで・・・。』

『景ちゃん、好き。
愛しとるよ。』

『・・・フッ、ああ。
俺も愛してるぜ・・・。』















初めて、本気で愛した奴。

隣にいるだけで落ち着いた。
名前を呼ばれるだけで胸がときめいた。
見つめられるだけで死にそうに恥ずかしくて。
ほんの少し触れただけでも何も考えられなくなるくらい・・・愛してた、愛してる。


幸せ過ぎて・・・あいつという存在がいること自体が本当に幸せだった。














『景ちゃん、キスしてええ?』

『何を今更言ってやがる。
もう思い切り現在進行形で抱き着いてるくせによ。
しかもいつも許可も取らず、すき放題してるくせに。』

『ハハッ、そやな堪忍。
やって、好き過ぎて我慢でけへんのやもん。
ほんまに愛しとるん。
全部伝えられへんのが悔しいくらいに、本気で景ちゃんだけを愛しとるんや。』

『当たり前だろ。
俺様以外を愛したりしたら殺すぞ。』

『大丈夫やて!
俺、景ちゃんしか見えへんもん。景ちゃんしか愛せへんのや。
やから・・・一生景ちゃんを愛したるよ。
やから景ちゃんも俺だけを愛してな?』

『・・・なら、俺様の側に一生居な。おまえが俺様を愛してる限り、俺もずっとおまえを愛してやるよ。』

『・・・おん。じゃあ俺ら永遠に両想いやな!』

『ま、そういうことかもな。』

『ほなら・・・・・・一生貴方の傍にいることを誓います、愛しき人よ。』

『・・・フッ。その言葉を信じ、どこまでも貴方と共にいることを誓い返しましょう、愛しき人よ。』














そう、言って

あれだけ囁き合って、
あれだけ見つめ合って、
あれだけ触れ合ったのに。


あれほど、傍に、いると、愛し続けると、誓った、くせに。




・・・あれほど、幸せに、させた、くせに。









なぜ、どうして、




神、なんて・・・・・・居なかった?













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