禁断の愛

□ナンパ師の恋模様
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明るく笑う赤也を引き連れ、俺達は町の中を二人で並んで歩く。
今日は久しぶりのデート。
学校も違えば、住んでる所も離れている俺達が一緒にいれるのは少ない。それでも側にいれるだけいたいと思い、こうして待ち合わせては会っていた。


他の皆・・・特に立海の人達には付き合っていることは内緒にしているけど・・・。
皆は赤也のこと可愛い後輩として大切にしてるし、俺と付き合っただなんて言うと反対されそうで(俺軽いらしいから・・・。赤也には本気なんだけどな)嫌だったのだ。・・・特に幸村君や柳君とか。
だから、かなり気をつけて気づかれないようにしてたんだけど・・・。そこは流石、幸村君。
一体どうしてばれたのやら。
しかも、わざわざこうしてご丁寧に軽く嫌がらせをしてくるし・・・。
今日の部活のだって絶対確信犯だ!




「先輩?清純先輩〜?」



俺を呼ぶ赤也の声に、慌てて我に帰る。
やっと反応した俺を不思議そうに見つめる赤也もやっぱり可愛い!・・・じゃなくて。



「ごめん、ごめん。
ちょっと考えご「可愛い女の子のことっすか?」・・・え?」



いきなりの発言に一瞬戸惑い言葉を止めた。
よく見れば赤也はさっきまでとは違い拗ねたような顔をしていて、そのままぷいっと顔を反らした。

よくわからず『赤也?』と呼び掛けてみるも、やっぱり無視される。
お姫様がご機嫌ななめになってしまい少し困ったが、直ぐに理由がわかり、俺は成る程ねと小さく笑った。



ーーーヤキモチ、ってわけだ。






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