禁断の愛
□愛してると一言
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ピカチュウとじゃれあった後。
俺は川の前に座り込む。
途中から、リザードンが乱入してきてピカチュウと喧嘩し始めたため、いつものことかと、フシギダネに任せて一人ここに来たのだ。
見つめた先に流れる緩やかな水面が、なんとなくズルイなー、なんて思う。
さっき問われたピカチュウの言葉が俺にしては珍しく、頭の中でひっかかかっているものだから、なんともなさそうに流れる水が羨ましかったのだ。
「あ〜、どういう意味だよ!」
難しいことに慣れていないためか、全く理解できない頭をがーっと掻きむしる。
そんなことでこのもやもやが解決するわけでも無いのだが。
結局、意味なく頭から落ちてしまった帽子を仕方無しに、被り直した。
と・・・その時。
「何を叫んでいるんだい?」
人を馬鹿にしたような、そのくせ何となく安心する声。
「シゲル!!」
いつの間にか後ろに立っていた、幼なじみことライバルの名を驚きから、つい大声を出して呼んでしまった。
シゲルはそんな俺を、あいもかわらず馬鹿にしたように笑いながら言葉を放つ。
「珍しいじゃないか、君がそんなに悩んでるなんて。
・・・明日は雨かな?」
「失礼だな!!
俺だって悩むこともあるんだよ!」
「へ〜、サ〜トシ君でも悩むのかぁ。」
「ほんっとうに腹立つな!」
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