禁断の愛

□ナンパ師の恋模様
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「・・・ほんっと、可愛いなー・・・。」

「何笑ってんすか!!」



ボソッと呟いた俺に、赤也は怒ったように叫んだ。
実際、かなり怒ってるみたいだけど。
そんな赤也に対し、俺は咄嗟に悩むような顔をした。
そして、赤也によく聞こえるようにぶつぶつと話す。



「ん〜、ユカリちゃんもいいけどマオちゃんもいいし・・・。
あっ!でもナナミちゃんも捨て難いな〜。」

「・・・っ先輩のっ、先輩の馬鹿っ!!!!」



てきとうに女の子の名前を羅列させていけば、思った通り、耐え切れず赤也は俺を罵倒した。

瞳に涙を溜めて、怒りに染まった赤い頬、震える体に、憎らしい筈なのに一生懸命で可愛いとしか思えない口調。

全てが俺を魅力して・・・。
かわいさもいつもの5割増しだ。いつもももちろんめちゃくちゃ可愛いけれども。



そして、そのままかけて行こうとする赤也を、俺は急いで引き止めそのままあまり人気の無い路地裏に連れていった。
離せ!と叫び反抗する赤也をぎゅっと力強く抱きしめ、俺は唇で言葉を塞ぐ。


唇を離したときには赤也は少し落ち着いたようで、静かに潤んだままの瞳で俺を見つめた。



「赤也、冗談だよ。」

「・・・え?」



優しく教える俺に、赤也は不思議そう言葉を返した。
そんな赤也にニッコリと笑いかける。



「女の子のことなんてひとつも考えてないよ。
ごめんね?
赤也があまりにも可愛いから、少し意地悪しちゃった。」

「な・・・んだ、それ。」

「本当は、ずっと赤也のこと考えてたよ。
赤也に関することだけ、ね?
俺の頭の中は赤也のことしかないもん。
他の子が入る隙なんてこれっぽっちもないよ!」

「うぅ〜狡いッス!!
俺を騙しましたね!?」






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