禁断の愛

□愛してると一言
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イライラと言い返す俺を気にすることなく、シゲルはそのまま俺の隣に腰を降ろした。
生暖かい風がシゲルの髪に絡み、弄ぶように揺らす。
ほんの少し、高ぶった気持ちを落ち着かせるような間をとってから、シゲルはさっきとは違う優しげな笑みを見せて俺のほうを向いた。



「で、悩める少年の話を聞こうじゃないか?」




あまりにも急に優しい微笑みを浮かべるものだからか・・・、俺はなんだか調子が狂ってしまった。
それでもピカチュウの言葉の意味が気になって、ぽつぽつと説明する。

まさか、心臓が五月蝿い理由なんか知る由もなくて。
きっと、いつもは見せない笑顔に驚いただけなんだ。
・・・たぶん。







「成る程、ね。」



話が終わるとシゲルは面白くなさそうに呟いた。



「な、どういう意味なんだ?
全然わかんなくてさー・・・。」



はーと盛大にため息をつく俺に、シゲルは本当につまらなさそうに、というか少し不機嫌そうな感じで口を開く。



「君がピカチュウに好かれてるってことさ。」

「・・・?そ、う・・・なのか?
なら、いいんだけどさ。」



あまり納得いかない気もするけどまぁいっか。
嫌われてないならいいし。



「君は・・・」



少し間を置いてから、ふと、シゲルが言葉を放った。



「『好き』の意味がひとつしかないと思ってるだろ?」

「はぁ?いきなりなんだよ?
というか、そんなに沢山あるものなのか?」

「はぁ・・・。やっぱりね。」



どうして、こう俺の周りの奴らは難しいことばかり言うのだろう。もっとはっきり言ってくれないだろうか。
ムッする俺に、シゲルは諭すように説明し始めた。



「サトシ、『好き』にはいろいろと意味があるんだよ。
例えば、好きな食べ物・・・とかの『好き』、友達への『好き』、あと・・・特別な人への特別な『好き』・・・とかね。」

「特別な『好き』?」



首を傾げた俺にシゲルは苦笑しながら尋ねる。







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