本でしか知らないけど人間って生き物に一回なってみたいと思っていた
でもホント一瞬だけ
思い返せば何でこんなことを考えたんだろう。




その日の夜は吐き気をもよおした

気持ち悪い。楽になりたい。
全部全部ぼくの中からでていけ。何だコレ
こんなに気分が悪いのは久しぶりかもしれない
目眩がして、嘔吐ばかりトイレでして、寒気が止まらない
風邪でもひいたかな。今日明日はゆっくり寝ていよう


長い一人ごとをぼくは自分に言い聞かせた。


ぼく兎だからさみしいと死んじゃうんだ……
兎がさみしくて死んじゃうなんて、迷信迷信迷信
そういう人はそう言っていればいいさ。
ぼくは死んじゃったみたいになる。さみしくてさみしくて
明日はトゥーシー達と遊べるかな。遊べないだろうな…


いつの間にか深い眠りについた



朝目が覚めると体が思ったより楽になっていた。気持ちのいい目覚め。
思いきって伸ばしてみたら自分の部屋が異様に狭いことに気づいた

あれ、?おかしいな
ぼくの部屋こんなんだったっけ
あれ、…?
なに?!この腕、足、
っ…!顔が…頭が…


体に異変が起きていた
いつものふかふかの黄色い毛でおおわれた腕、足、顔、頭の自慢のモコモコも、全部なくなっていた
変わりに肌色に塗りたくられた自分の腕、足、顔
腕をよく見るとドクドクとぼくの血潮が流れていることがよく確認できる
頭はやわらかい髪、金髪
ところどころ跳ねている


こんな、ことって。

鏡をみて漠然とした
ぼくは人間になっていた
人間って生き物は今まで本でしか見たことなかった。

あぁ……やっぱり人間は嫌い…。
理由はわからないけど、何だか好きになれないよ。

嫌いな人間に今ぼくはなっている

どうして、どうして!

頭の中に整理がつかずついにぼくは外に飛び出した

そうだ、トゥーシー
トゥーシーならきっとぼくに気づいてくれる ぼくの無二の親友だから

あっトゥーシー!それにギグルスも…!
ぼくだよカドルス!助けて、ほしくて…

「!?!?お前人間?」
「きゃぁっ!!人間がいるわ!」

ざわざわとまわりの目線も変わり始めている
みんなの視線がいたくていたくてまるで一本一本針に刺されてるみたいだった

「ここはお前が入っていい世界じゃないんだ!とっととでていけ」
「人間はくさいから嫌いよ」


トゥーシー!ギグルス!ぼくだよ、カドルスだよ!
何だかわからないんだ ぼく突然人間になっちゃったんだよ!
ねぇ…気づいてよ…
ぼくどうしたらいいかわからない!


思いあたる友達、知り合い、みんなのとこに尋ねたけどみんなぼくを化け物扱いしかされなかった

泣きそうだった。

突然変な目眩におそわれて、人間になって

ぼくは一体どうしてしまったのだろう。思いあたることはない。
確かにこの街はおかしなとこだらけだ
死んでも生き返る輪廻
太陽が顔を出すころには何もなかったように再生されてる。痛いのは嫌いだけど、記憶も残っちゃうけど、不思議と辛くない。

こんなおかしな街だ
人間になっても不思議じゃない


だけど人間は、きらい
早く戻りたい。うぅっ…!

また吐き気がもよおした。
辛い辛い、気持ち悪い

一回倒れこんで近くにあったゴミ箱に顔を突っ込んだ。
そしてまた長い眠りに入った。


朝目が覚めると体が思ったより楽になっていた。気持ちのいい目覚め。
思いきって伸ばしてみたら自分の部屋が元通りの広さになっていることに気づいた

あれ、?おかしいな
あの肌色に塗りたくられた腕、足、顔は黄色いふかふかの毛皮でおおわれていた
もうドクドクと流れる血潮はあまり見えない
頭もさわると自慢のモコモコも大きな耳もたっていた

こんな、ことって。

鏡をみて漠然とした
ぼくはもとどおりの黄色いうさぎになっていた

嬉しくて嬉しくて思わず外に駆け出した。いつの間にかお花がたくさんさくお花畑にいた
みんな!ぼく元に戻ったよ!
ぼく、ずっとずっと寂しかったんだ!
あっ、トゥーシー!ギグル、ス


何だか面影のある二人
茶髪の髪、顔にたくさんのソバカスの男の子
大きなリボンをつけた短いピンクの髪の色をした女の子
二人ともぼくより大きくてビックリした

「みてみて!うさぎさんがいるわ!」
「ホントだ。この街にもまだうさぎがいたんだ」


女の子が抱き上げようとした途端ぼくは怖くて噛みついてしまった

「きゃぁ!」
「大丈夫?!いきなり抱かれてビックリしたんだよ、ごめんねうさぎさん」

ギグルスがだいすきなお花畑なのに
それを踏み歩く2人


………。


表に出れと車がよく通る道路にでた。

くさい。くさい。排気ガスの臭い

ぼくはたまらなくなって家に引き返した
もうわからない
この街がどうなっているのかさえも
もともとおかしな街だけどこんなにもおかしなことはあっただろうか

もういやだ。早く元に戻して
いつもの日常をかえして
みんなと会いたい

ぼくはうさぎだからさみしくて死んじゃうんだ…さみしいさみしい。





「カドルス、すごいうなっていたけど大丈夫?」
「…………ありがと、う、トゥーシー。…」
「まぁこれ飲んで落ち着きなよ」

意識はあるのかないのか、カドルスはホットミルクの入ったカップを握りしめながらほんのり手から伝わるあたたかさを感じていた

「夢にしてはすごかったみたいだね、どんな夢みてたの?」
「…。人間になったり、トゥーシーやギグルスも人間になったり……。」
「何だかよくわからないけど…とにかくすごい夢だね」

「トゥーシー、人間になってもいいことなんてなかったよ」
「…僕たちにはわからないね」

このままの姿が一番いいや
夢でよかったと思う。







おそまつでした
よくわからんな!
カドルスが冒険してる感じを書きたかったんですが途中ですごいことになりました←
…精神いたします


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