あなたは覚えているでしょうか
まだ私が冷たくて暗い土の中にいた時、あなたが私を外につれ出してくれたことを
それは何年も前の話です


いつも私は穴からもれる外の世界という光を恐れていました
あの光の中に行くと死んでしまうのではと思っていたからです
そしたらそんな時


"あんたはなんでそんなところで一人暗いところにいるんだ? ずっと穴の中って苦しいだろ こっちこいよ"

そう言われて怖かったけど出た瞬間
怖いと感じていた光がこんなにもあたたかったなんて
あぁこれが外の世界なんだと
そう思っていたらあなたは泣いているみたいでした

"あんた、目が見えないのか…"

あなたは私のために涙を流していました

"これは仕方ないんです。私はモグラですから、ずっと土の中で生活する上で必要ない機能なのですよ"

そう言うと今度は私を抱き締めてきました
でも抱き締めてるとは言えない感じでした

"あなたは腕が、ないんですか…"

私も涙がとまらなくなりました
そしたらあなたは

"これは誰のせいでもない事故だったんだ。あんたと同じ仕方なかった、に入ってしまうのかな"

私はそんなあなたのことが気になってしかたありませんでした

"私はあなたと一緒にいたいです"

"俺もあんたと一緒にいたい"

そうやって二人―――




「ちょっとモールさんっ!!何書いてるんですかっ」
「あっ、ハンディさん。いやーん見ないでー」
「いやーんじゃありません。可愛くないですよ
というかいつの話を書いてるんですか!?俺恥ずかしいです!やめて下さ、あぁっ!」
「ちょっと、ハンディさん私のノートをとらないで下さい。いいじゃないですかー、今ハンディさんと私の出会った思い出を小説風に書いたら面白そうだと思ったんですよ。」
「何で今になって…!やっぱ恥ずかしいから!せめて俺のセリフはいれないでグハッ」
「ハンディさんが今盛大にコケたのも書きましょう」
「あぁ、もう知りません!
俺は仕事いってくるから!」
「はいはい行ってらっしゃい」


腕がない大工さんは怒りながらお仕事に行きました
ハンディさんのために私は今日も美味しいごはんを作って待っています。


「何か違いますねー、まぁいいですか」

あっ、"お仕事に行きました"の最後に『かっこわらい』でも書いたら面白いでしょうか。




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