story

□taster
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所属する部員達が全て出払った、放課後の生徒会室。

窓から差し込む強い西日が、机の縁に浅く腰掛ける久保田を容赦なく照りつける。

その膝の間を陣取って跪く時任の表情は陰になり、窺い知ることは出来ない。


「あのさぁ、」

「……なに?」


露出させた久保田の性器を口に含み、一心不乱に舐っている時任に、無駄だと知りつつ声を掛ける。

案の定、顔も上げずに「邪魔するな」と言わばかりの不機嫌な声が上がった。


「俺、今お前を抱く気無いよ?折角その気になってるとこ悪いけど」

「は、バッカじゃねーの?誰が、いつ、お前なんかに抱いてくれなんて言ったよ。調子にのんな」


本当に調子に乗ってるのは、どっちだ。

その髪を引っ掴んで無理にでも視線を合わせてやりたい所だが、中途半端に脱がされたシャツが腕に絡まり、

後ろ手に拘束されてしまっている為に、辛うじて上半身を支えられる形となり、時任の成すがままと言った状態だった。


何も言う事なく黙ってしまった久保田に、時任は勝ち誇ったような笑みを浮かべると、再び性器を口に咥えた。

舌を這わせたり絡めたりの口淫を仕掛けながらも、感じている事を確かめるように、時折上目遣いで表情を窺う時任の仕種が、

より卑猥に久保田の目に映る。

時任もそれを知ってか、今までのように舐るだけでなく手淫も加えより激しく久保田を責め立てる。

ピチャピチャという水音が大きく早くになるにつれ、視覚だけでなく聴覚をも犯される久保田の呼吸が乱れ、否でも応でも

性感が高められていく。


そして。


「あ、っ」


時任の口内に精を放ってしまうと、激しい脱力感が久保田を襲った。


「ん、くふっ」


手を口に当てて時任が二、三度咳き込む。掌には先程口で受け止めた白濁がかかった。

眉根を寄せた表情が、久保田の瞳にはどこか淫靡に映る。

その視線に気づいた時任は、そのまま久保田を見返しながら、上を向いて白濁を口の中に流し込んだ。

そして舌で精液を綺麗に嘗め取って、味わうように舌の上で転がす。時任の表情には、いつしか恍惚が混じっていた。

手をどけて露になった紅い唇と、唇に付着している乳白色のコントラストが淫猥だった。

思わず息を呑む久保田。すると時任が急に立ち上がって、久保田の顎を掴んだ。

驚いている間もなく、噛み付くようなキスがなされる。

重ねられた唇から 自分が吐き出したものが流れ込み、飲み下すことを強要される。

顔を背けたくても、時任の指先で顎をしっかりと固定されてしまっているため、逃れることは出来ない。

抵抗することを諦めたその瞬間、耐え難い不快感が喉元を襲った。


「美味い?」

「……べつに」


こんな事をされて喜ぶ奴など居るものか。

顰められた顔で答えが分かるだろうに、そんな事を聞く時任にいい加減、嫌気がさす。

時任はそれに気を留めることも無く、手早く久保田の乱れた服を直すと、何事も無かったかのように立ち上がった。


「で、結局お前は何がしたかったわけ?」

「え、やっぱお前のが一番美味いなーって思ったから。味見させてやろうかと」

「……それってさ、もしかして俺に喧嘩売ってる?」

「なんで?褒めてんじゃん」


そして笑いながら久保田を振り返り、言った。


「俺は、久保ちゃんの身体がいちばん好き」

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