駄文長編

□闇の太陽《疑》
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白く長い廊下の先に、ひときわ大きな扉がある…



その前で足を止めた。


「ウルキオラだね……」

「待って居たよ…入りなさい。」



中から響く藍染の声…


来る事が解っていたかの様にウルキオラを招き入れた。



中には市丸や東仙の姿もあった…

そして、もう一人…
含み笑いを浮かべながら、こちらを見つめているザエルアポロの姿も…



「ご苦労だったね。」

「現世の様子はどうだった?」



「ご報告遅くなり、申し訳ありません…」

「藍染様の仰せの通りに、黒崎一護の存在した事実や記憶を全て排除しました。」



「それはよかった。」


「これでもう現世には帰る場所も、帰りを待つ友も、助けに来る仲間も居なくなったんだね……」



満足そうな笑みを浮かべながら、ティーカップを口にした。



「あとは尸魂界の方だね…」

「こっちは一筋縄では逝かないだろうからね…」

「まぁ焦らず時間をかけて、ジックリと落として逝けばいい…」



「太陽はは掌の中にあることだし…」



「引き続きウルキオラにお願いしてもいいかな?」



「はい……仰せの通りに……」


「必要なら誰かを連れてて行くといい。」

「君の好きにするといい。」



「はい…藍染様…」





一護に付いて何も語られない事に少しもどかしさを感じ、言葉を発しようとした瞬間ザエルアポロが口を開いた…





「ふふふっ…」

「黒崎一護君の様子はどうだい?」

「無事だったのかな?」



(やはりコイツの仕業か…)

冷やかに刺す様な視線を向ける。



「そんな怖い顔しないでくれたまえ。」

「藍染様のご命令なのだから…」



「何をしたっ!?」



「あははっお気に入りの玩具を壊されて機嫌を害した様ですまないね。」

「僕は大した事はしていないよ。」

「記憶を司る所を少し細工しただけ…記憶を封印したとでも言っておこうか。」



藍染は頬杖を付いた状態で、ザエルアポロの話に口を挟まなかった。



「上手く行ったよ。ただ、拒絶反応は酷かったけどねぇ」

「意思の強さや能力の高い物ほど拒絶が酷いみたいだね。」

「新しい発見も出来たよ」

「彼の内なる虚には、別の人格が備わって居るようだよ。」

「ただ、虚には記憶除去は通用しなかったみたいだけどね…」


「御託はもういい…」

「身体中の傷はノイトラによるものだ…」

「殺す気だったのか?」



「殺す?」

「とんでもない、殺されそうになったのは僕らの方さ。」

「正当防衛だよ。」

「彼の記憶が消えた途端虚の彼が現れて、一瞬で僕の可愛い従属官諸とも虚夜宮の一角は壊滅だしたのだから。」

「他に彼を止める方法なんて予知は出来なかったよ。」





「失礼します…」

藍染に会釈をし、身体を半転させたと同時に藍染の声が響いた。



「ウルキオラ…」

「君に告げずに勝手な事をして悪かったね。」

「早く傷が癒える様に世話を頼むよ……」





「はい……」





同じ姿勢で口角を上げて喋る藍染の瞳は冷ややかだった……



藍染に背を向け扉に向かう…



「グリムジョーには気を付けた方がいいよ…」



ザエルアポロの声に振り向く事なく部屋を後にした……






 

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