ー追憶ー

□ハリルの名残
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今日はクリスマスだ。

ハリルは思い出の白百合の塔の秘密の部屋に入った。

すると先客がいた




「リー、メリークリスマス」

彼女の彼氏であるジュニーU世が先に待っていたのだ。

「メリークリスマス王様」
「いい加減、その王様って言うの止してくれないか?」
「でもあなたは一国の主です。未だに私を選んだ理由が分かりません」

すると、ジュニーはハリルにこう言った。

「リー、私はね君のように優しくて…でも芯はしっかりしてる女性が好きなんだよ」
「それは…」
「とにかく君が好きなんだよ。それにリーもまんざらじゃないんだろ?」
「え?とんでもないです。王様の好みが私のような女だなんて…」
「リーだからだよ」

するとハリルは紫色の小箱を発見した。

「これはなんでしょうか」
「クリスマスプレゼントだよ…。開けてごらん」


するとハリルは紫色の小箱を開けてみた。


「ルビーの指輪!?高かったんじゃないの?」
「まあね。でも君のために頑張ってみたよ」
「嬉しい…。でも私の誕生石とは違いますよ」
「敢えてそうしたの。君の赤い瞳のような宝石を渡したかったから」
「付けてもいいでしょうか」
「もちろんだよ」

するとジュニーはハリルの左手の薬指にルビーの指輪をはめた。

「これじゃあ、まるで婚約指輪みたいですね」

するとジュニーは真剣な顔でハリルにこう言った。

「いや、本当に婚約指輪なんだ。もうそろそろ言っておかなければならないと思っていてね」

すると、ジュニーはいつもより真剣な顔をしてハリルを見た。

ハリルはドキドキしていた。

「リー。いやハリル。私と結婚をしてくれ。君を幸せにするから」
「え!!」
「いやか?」
「いいえ、あまりにも突然過ぎたのでびっくりしてしまいました」
「結婚しよう…」
「私で本当にいいんですか?後悔しますよ」


この時、ジュニーはハリルが言った言葉の意味を少しも分かっていなかった。


「大丈夫。後悔なんてしないから」
「…分かりました。謹んでお受け致します」

すると、ジュニーはハリルの指輪にキスをした。

「永遠に愛するよ」
「私も…」


2人は見つめあった。そして、ジュニーはこう言った。

「リー、目をつぶって」
「はい」

ハリルはそう言うと目を閉じた。するとジュニーはハリルの唇と自分の唇を重ねた。

しばらく2人はキスをやめなかった。

そしてジュニーはこう言った。

「リー、もし良かったら今日はここで聖夜を過ごさないか?」
「私は嬉しいのですが、王様はクリスマスパーティーの…」
「大丈夫だよ。妹のタカージョがうまくやってくれるから。それとこれから敬語禁止ね」
「でも私とあなたでは、身分が違います」
「一人の男と一人の女が愛するのに地位や名誉は必要ない。私は王様としてではなく、一人の男としてお前を愛してる」
「……はい」
「それに、自分らしく生きることを教えてくれたのは、君なんだ。感謝してる」
「…感謝すべきなのは私。こんな私を愛してくれたのはあなたが最初で最後よ」
「そうか…」

2人の甘い時間は、過ぎていった。
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