ー宿命ー

□俊也の過去
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後日、私は弟の純平に呼ばれた。

「姉さん」
「どうしたの?」
「良かったな、本当に」
「うん・・・」
「俊也は、ずっと姉さんのこと気にかけてくれたみたいだよ?」
「でも、あの時・・・」
「あの時の話はもう止めるんじゃなかったのかい?姉さん」
「聞いてたの?」
「淳希がさ、心配してたから盗み聞きを依頼されたの〜」
「まさか・・・」
「あぁ、でもこれは俺ら3人の秘密ね。淳希には上手くごまかすから」
「あいつ!!」
「でも、淳希だっていい奴だよ。いまだに姉さんの誕生日には花をくれるしね」
「まさか・・・あの花は俊也じゃなかったの?」
「俺は花嫌いだ」

後ろから聞いていた俊也が加勢した。

「盗む聞きとはいい度胸だな」
「でも、胸のつっかえが取れてよかったんじゃない?」
「・・・あぁ」
「それに、姉さんの件なんだけど」
「なんだ?」
「見合いの断り件数は・・・13回」
「まさか、年1回のスペースでしたわけ?」
「うん・・・」
「たくっ。どんな奴だったのよ」
「えっと・・・中川淳希や中川淳希!!」

すると、俊也は大声でこう言った。

「あいつ!!なんて諦めの悪い奴」
「だって、俊也がいなかったら間違いなく姉さんは淳希の嫁だったぜ?」
「何故?」
「さあね。でも良かったな。姉さんが一途な女で」

俊也は苦笑しながらこう言った。

「全くだ」

私達は、今日も平和のために城務をしながらこうやって他愛もない会話をしている。

まあ、いろいろあったけど、俊也を好きになって良かった。

それに過去の出会いの話も聞けたし、私も胸のつっかえが取れたから結果オーライかな。



























後書き

はい。またまた思いつきで書いてしまった。俊也×春代シリーズ。シリアス系は本編でしているんで、反動のために最後がコメディチックになりました。えぇ。春代さん良かったね〜。

読んでくださった皆さんへ
駄文ではありますが精一杯書きました。良かったら感想など書いて下さったら嬉しいです!!

2009年1月16日 戸川春代
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