ー宿命ー

□それぞれの想い
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「私も楽しかったで、冴子さん」「2人力合わせてミスティを倒してくれよ」冴子がそう言うと、2人は頷いた。そして、今度は淳希がこう言った。「俺は、何も出来なかったけど、2人が無事に帰ってくるのを待ってるからな」「ありがとう。淳希さん」美希がそう言うと、操がこう言った。「美希、ちゃんと漣のサポートをするんだぞ?」「はい」「それと、お前の魔法はちゃんと効くから、どんどん合成弾を作ってくれ。その銃はもうお前のだ」「でも…戦いが終われば使いませんよ?」「なら、大切に保管してくれ。私達の旅の思い出にな」「はい」「漣、美希を守ってくれよな」「はい」漣がそう言うと、透がこう言った。「美希、いままでありがとう」「リーダー、何言ってるんですか?私の方こそありがとうごさいました」「2人とも、ベストを尽くして頑張れよ!」透はそう言うと、ペンダントを渡した。「これは?」漣はそう言うと、透はこう言った。「護身用のペンダントだ。何かと役立つぞ」「ありがとうごさいます」「無事に帰ってきてくれよな。学年首席!」「はい」漣はそう言うと、ハルクがこう言った。「王子、美希王女、2人とも頑張って下さい。気の利いた言葉は言えませんが、無事に帰ってきて下さいね」「分かったよ。ハルク」漣がそう言うと、ハルクは涙を流した。「今生の別れじゃねぇのに泣くなよな、ボンクラ」冴子がそう言うと、ハルクはこう言った。「でも…」「笑顔で送ってやれよ」「はい。2人ともいってらっしゃい」「まだ2人とも行かねぇつーの」冴子はそう言うと、ハルクの頭をげんこつでグリグリした。そして、純平がこう言った。「漣…美希さん…」「はい」「とにかく生きて帰ってこいよ。それしか望まないから」「はい」そう言うと、漣と純平は抱き合った。「いままで辛かったと思うけど、これで最後だから…」純平がそう言うと、漣は涙ぐんだ。「帰ってきたら、姉さん達の祝言を挙げような」「はい」そう言うと、2人は離れた。そして、ルークがこう言った。「戸川、徳川、頑張ってこいよ!」「はい」「それと、これからもマリアと仲良くしてくれよな」「もちろんです」美希はそう言うと、2人はこう言った。「それでは、行ってきます」すると、由希がこう言った。「美希!!」「なんや、おとん」「とにかく…。帰ってきてな」「分かったで、おとん」「それと漣君、美希と結婚したってなー!!」美希はかなり顔を赤らめた。「おとん、話が早いやろ!!それに、みんなの前で言うなや!」「そうか。堪忍堪忍」由希がそう言うと、笑いの渦が湧いた。「もちろんですよー!!ハル王」漣は負けずにそう言うと、美希は嬉しそうな顔をした。そして、2人はテレポートした。「とうとう行ってしまったんやね」すると、透がこう言った。「いつから、2人は付き合ってたんですか?」「さあな。でも、前からめっちゃお似合いやったで」「ふうん」「さて、荷造りしますか」マリアがそう言うと、各自片付けだした。そして、綺麗にし終わった後、透がこう言った。「しばらくはここにいましょう。2人がいつ帰って来てもいいように」「そうやね。俊也はんも春代さんもいはるしね」由希がそう言った。そして、ルークがこう言った。「明日からみんなどうするんだ?」「とりあえず、わいらはトニーズキャッスルの復旧やわ」由希がそう言うと、透はこう言った。「俺達は聖クリスタルスクールの復旧の手伝いに行きます」すると、ハルクはこう言った。「俺達はクリスタルキャッスルの復旧を」そう言うと、冴子はこう言った。「まあ、私達はブレムスの復旧ですね。おいボンクラ、暇になったら手伝いに来いよ」「分かりました」そして、淳希はこう言った。「俺はとりあえず、城下町の復旧だな」すると、操がこう言った。「まあ、しばらくは国の復旧になりますね。それが終われば、いつも通りの生活に戻りますけどね」「そうだな。学校も始まるしな」「難民達も、帰らさなあかんしな」「図書館の本も注目しなきゃいけませんしね」「しばらくは、会えませんね」「そうなりますね」「でも、ここであったことは、掛け替えのない思い出ですから」冴子がそう言うと、みんなは頷いた。すると、操がこう言った。「リーダー、ちょっと来てくれ」「どうした?」「最後に言っておきたいことがある。みんなは、各自好きなことをしておいてくれ」そう言うと、操は透の手を引っ張った。そして、操は聖なる湖に連れて行った。「どうした?急に」「ちょっとな。しばらくゆっくりと話せる機会もなくなるだろうし、言っておきたいことがある」「分かった」そう言うと、2人は座った。「卒業式にさ、絶対にここに来てほしい。そして、私と一緒に銀色の桜の花を見てほしい」「どうして?」「ジパングに行ったら、見れなくなるからな」「そうか。クリスタルキングダムでの最後の思い出にしたいんだな」「そうだよ。見納めにな」「分かった。一緒に見に行こう」「ありがとう。私のわがままを聞いてくれて」「わがまま?かわいいもんだよ」透はそう言うと、笑顔になった。「透!」操は透にキスをした。「操!?」「キスもしばらくできないだろ?」そう言うと、操は顔を赤らめた。透は操を抱き締めた。「透?」「しばらく淋しい想いさせるかも…」「そんなことは、お互い様。 だから気にすんな」「だめなんだ…、逆に俺が淋しいかも」透がそう言うと、切ない顔になった。「淋しい?」「とても淋しい…」2人は言葉が詰まった。操は透の顔を見たとき、こう思った。(切ない顔してる…。ずっとそばにいたせいだよな)すると、操はこう言った。「泣きたいか?」「え?」「泣いてもいいぞ」「男が好きな人の前でなんか泣けるかよ」「昨日のお返しだ。私しかいないんだし、泣きたいなら泣けよ」「操…ごめん」透はそう言うと、静かに涙を流した。操は、透にこう言った。「ずっとそばにいたから、急に離れ離れになると、淋しくなるんだよな」「あぁ」「なぁ、透。私さぁ、透に会えて良かった。人を愛する気持ちが分かって良かった。だから離れ離れになっても、心は繋がっているからな。不安にならないで」「うん」そう言うと、透は操から離れた。「泣き顔見られるのは、恥ずかしいか?」「ちょっとな」「いいから見せて」操は半ば強引に透の顔を自分に向けた。「お前の涙、綺麗だ」「綺麗じゃない」「純粋にそう思えるんだ。だから隠さないで」「恥ずかしい…」「なんだよ。いつもの調子じゃねぇぞ?いつもなら、恥ずかしいとか言わずに、遠慮なくとか言ってすり寄って来るくせに」「今はそういう気分じゃない」「そうかよ」すると、操は透の涙に触れた。「暖かいなぁ。お前」「くすぐったい」「ふうん」「だめだよ。涙止まらない」「えらく涙脆くなったな」「お前のせいだよ」「なんだよそれ」「お前が俺の涙腺ゆるくしたんだ。昔なんか泣かなかったんだぞ?」「そうか。じゃあ何度もお前の涙を拭うから」そう言うと、透は顔を背けた。「嫌か?」操がそう言うと、透は顔を赤らめて頷いた。「じゃあ仕方ないな。泣きやむまで待つよ」そう言うと、操は地面に横たわった。透はなるべく早くに泣きやもうと努力した。そして、泣きやんだころには、操は眠ってしまった。「悪い悪い、待たせてしまったみたいだな」透はそう言うと、操を起こした。しかしなかなか起きない。すると、操から寝言が聞こえた。「透…」透はドキッとした。「好きだ」(寝言までその口調かよ)透は苦笑して操の唇にキスをした。すると、操が起き出した。「いきなり何すんだよ。変態野郎!!」「だって、操が寝言で俺の名前を呼んで好きだと言ったからだ」「ふん。変な奴」「さて、戻りますか」「そうだな」そして、2人は白ユリの花畑の地下洞窟に帰った。一方、美希と漣はデーモンキャッスルの前にいた。「何も急いで行くことは無いよな」「うん」「あんな、さっき言ったことは、ほんま?」「うん!結婚のことだろ?」「そうか。ならえぇよ」「美希、サポート頼むね」「うん」そう言うと、2人はデーモンキャッスルの門を開けた。
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