黒白の月


こんなに月が暗いんだから
きっと何かが起こるはず
俺の母様が言っていた

「月の暗い日は絶対に
外を歩いてはいけないわ
闇に囚われてしまうから
星に捕まってしまうから」


こんなに月が明るいんだもの
きっと何かが起こるはずだよ
僕の母様が言っていたんだ

「月の明るい日は絶対に
外を歩いてはいけないわ
光に囚われてしまうから
海に捕まってしまうから」


幼かった僕らは聞いたっけ
いつなら出歩いて良いのか、と
そのときあの女(ヒト)は言ったっけ

「日が落ちた後は絶対に
外を歩いてはいけないわ
天使に囚われてしまうから
悪魔に捕まってしまうから」


無垢な僕らは愚かにも
女の言うことを真に受けて
夜に出歩きはしなかった

浅はかな女は愚かにも
俺達が眠ったと思いこみ
外に出るのを俺はみた


__月の出てない夜だった__



「ねぇ魅月、今の見た?」
「うん葉月、バッチリ見たよ」



___母様は月に囚われた___



「どうしたら助けられるかな?」
「俺、一回本で見たことあるよ
こういうときは、確かね・・・・・」


次の月の出なかった夜に
僕らは母様を月から助けてあげた


「・・・本当にこれであってるの?
母様、ピクリともしなくなっちゃったよ?」

母様に、痛い思いさせちゃった
でも、だいじょうぶ
もうすぐ、月から解放される

「うん、あってるよ
後はもう一回、破けた処を接ぐだけさ
赤い石は埋め込んだでしょ?」

赤い石は作るのに時間がかかったんだ
いまさら、失敗なんて許されない
本の通りにやれば、上手くいく

「うん、頭のところにね
でも、糸なんてないよ?」

傷口は縫うって魅月が言ったから
針はもう、あるんだ

「糸ならあるよ
母様の頭から、ほら」

糸はきれやすいから
注意して、長いままにした
大変、だったな・・・

「あ、本当だ
でも、せっかく綺麗な黒だったのに、赤くなっちゃったね」

「だいじょうぶだよ
さ、早く終わらせよう」

「うん」




月の出なかった夜
俺達は母様を月から救った
俺は本の通りにしたのに
一週間たっても
一ヶ月たっても
母様は動きだしはしなかった
本当は五日間たっても
動き出さなかったから
俺達は母様を銀の棺に入れて
サクラの下に寝かせてあげた



ようこそ、「黒白の月」へ

初めまして、それともお久しぶり?

案内役の葉月です

おや?

PCからお越しのそこの貴方

貴方ですよ・・・

どちらに行かれるのですか?

あなたは大切なお客様

勝手にいなくなられては

僕が魅月に怒られるじゃないですか!

さぁ、列になって!

最初から、順番に見ていってください

良いですか?

間違えても、順番をバラバラに行くなんてこと

しないで、くださいね?

それでは、どうぞ

ごゆっくり、お楽しみください・・・?

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お越し下さり有難うございます。
また遊びにきてくださいね!


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最終更新日 2008/04/20




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