一次創作(オリジナル)小説
□ダークナイト 序章
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「――――!」
息を詰めた刹那の間に瞼を一気に開く。
眼前に広がる眩い光に目を細める。
「……………」
昂ぶっていた精神をゆっくりと落ち着かせ、
薄い毛布に覆われた体を軽く起こす。
束ねていない黒髪が肩口から落ちた。
「あー……」
力の無い声を出す。
見開いた瞳を半分以上瞼で覆い、気だるそうな表情を浮かべて頬杖を付く。
木材で縁取られた硝子窓を一瞥すると一羽の雀が興味深そうに彼を見ていた。
すぐに視線を逸らすつもりだったが、気分を変えて彼もその雀を見遣る。
「嫌な夢、見た……」
ダークナイト
〜黒白たる深淵の輪舞曲〜