Novel
□姫条まどかルート
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二年冬。
しばらく放っておいても割と平気そうな女友達に比べ
ときメモの男の子というのは皆、一様にやきもち焼きで傷つきやすい生き物です。
同性と異性の何が違うのか詳しくは何処のサイトにも書いていないので詳しくは理解できないけど
男の子らは放っておくと心に爆弾を抱えてしまいます。
弟に「周りの人達の評価」を確認すると攻略対象の名前の横に爆弾マークがついているのが確認できました。
そしてこれはそのままだと本当に爆発してしまいます。
なんの冗談かと思いきや、コレがこの世界における心の表現なのでした。
爆弾のついた男の子に学校で声をかけると、変な顔をして何も言わずに走り去ってしまいます。
昨日まで仲良く会話していたと思ったのに、急に避けられ、会話すらしてくれなくなります。
本当に突然の事なのでわけがわかりませんが、でも怒らせたなら謝って許してもらわなければなりません。
直接は駄目でも電話には出てくれるので毎回馬鹿みたいに謝っては結局何が悪かったのかわからないまま
それでも相手はいくらか気が済むのか翌日には元のように仲良くしてくれます。
マークもいつの間にか消えます。
努力も虚しく爆弾が破裂してしまった時の
「姉ちゃんが○○を傷つけたという噂が流れている」
という弟の言葉がまず上手く理解できませんでした。
いったい何故そんな噂が流れているのか、疑問でなりません。
けれどよくよく考えるとつまりその当人が「傷つけられた」と言いふらしているという事です。
もちろんそんな覚えは全くありませんし
そんな根も葉もない噂を広めて何か恨みでもあるのかと非常に腹立たしいのに
何故か謝ることしか出来ず、心の中に煮え切らない思いばかりが募りました。
しかしコマンドが無いのですからそう怒っても仕方ありません。
そういうものであると割り切ることにしてからは次第に慣れて腹も立たなくなりました。
しかしこのマークを見るたび、心というのはなんて鬱陶しくて危険なものなんだろうとうんざりします。
でも目に見えるだけまだ対処のし様があるというもの。
ゲームの流れに乗るまでの期間はその場その場の爆弾への対応で生活は手一杯になり
姫条まどかへのルートは完全に見失われました。